特定健診・保健指導に関するアンケート調査結果
調査結果
2008.05.07
Q.「特定健診・保健指導」の開始により、貴施設の業務が現在より増えると思いますか?(n=402)
  • 増えると思う…59.45%(239 名)
  • 激増すると思う…16.92%(68名)
  • 現在とあまり変わらないと思う…12.94%(52名)
  • わからない…6.97%(28名)
  • 無回答…1.49%(6名)
  • 減ると思う…1.24%(5名)
  • その他…1.00%(4名)

グラフ1
全体の8割弱が「増える」「激増する」と回答。以下、職種ごとに見てみると、その数値は変化

◆ 医師の回答(n=84)
増えると思う…61.90%(52名)
現在とあまり変わらないと思う…16.67%(14名)
・激増すると思う…13.10%(11名)
・わからない…4.76%(4名)
・無回答…2.38%(2名)
・減ると思う…1.19%(1名)

◆ 保健師の回答(n=60)
増えると思う…63.33%(38名)
激増すると思う…30.00%(18名)
・現在とあまり変わらないと思う… 5.00%(3名)
・わからない…1.67 % (1名)

◆ 管理栄養士・栄養士の回答(n=98)
増えると思う…61.22%(60名)
激増すると思う…15.31%(15名)
・わからない…10.20%(10名)
・現在とあまり変わらないと思う…7.14%(7名)
・減ると思う…3.06%(3名)
・無回答…2.04%(2名)
・その他…1.02% (1名)

◆ 看護師・准看護師の回答(n=77)
増えると思う…58.44%(45名)
激増すると思う…22.08%(17名)
・現在とあまり変わらないと思う…12.99%(10名)
・わからない…3.90% (3名)
・減ると思う…1.30% (1 名)
・その他…1.30% (1名)

◇◇◇ 解説・コメント ◇◇◇
 健診業務が診療に占める割合によって、業務の増減は大きく異なる。とくに健診が多い施設は多忙になり、特定保健指導を放棄するところは同等、業務軽減になるでしょう。もっとも時間のかかるのは特定保健指導の事前処理と事後処理である。つまりスケジュールが遅れている人への督促,保健指導内容の電子データ化に追われる。(和田高士)
 特定健診・保健指導によって、業務が「増えると思う」「激増すると思う」との回答が全体の約76%と、特定健診・保健指導の導入に当たり負担が増えることを予想している。職種での回答を見てみると、「増えると思う」は職種間での差が少ないが、「激増すると思う」に関しては、医師、管理栄養士に比べ、保健師で30%と高値を示している。準備段階での業務負担、来年度、特定健診・保健指導が開始してからの業務負担、この中には、特定健診・保健指導の企画・立案と実際の指導・支援する業務負担が考えられる。(鈴木志保子)

Q.「特定健診・保健指導」で活用する資料やツールを準備していますか?(n=402)
  • いいえ…49.75%(200名)
  • はい…48.01%(193名)
  • 無回答…2.24%(9名)

グラフ2
準備状況は全体では半々だが、保健師、管理栄養士・栄養士は、積極的に準備を整えていることが見受けられる

◆ 医師の回答(n=84)
いいえ…65.48%(55名)
・はい…30.95 %(26名)
・無回答…3.57%(3名)

◆ 保健師の回答(n=60)
はい…68.33%(41名)
・いいえ…31.67%(19名)

◆ 管理栄養士・栄養士の回答(n=98)
はい…62.24%(61名)
・いいえ…34.69%(34名)
・無回答…3.06 %(3名)

◆ 看護師・准看護師の回答(n=77)
いいえ…55.84%(43名)
・はい…42.86%(33名)

◇◇◇ 解説・コメント ◇◇◇
 今春から相当の数が市場に出回る予定である。とくに情報提供については下記の規定が発表されたので注意が必要。
 当該情報の提供に当たっては、次の(1)から(3)までに掲げる事項に留意すること。
  1. 特定健康診査の結果等から受診者個人に合わせたものを受診者ごとに提供すること
  2. 提供する情報は、次のアからウまでに掲げる内容とすること
    特定健康診査の意義(自分自身の健康状態を認識できる機会、日頃の生活習慣が特定健康診査の結果に表れてくる等)や特定健康診査の結果の見方(特定健康診査の結果が表す意味を受診者本人の身体で起きていることと関連づけられる内容)
    内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)や生活習慣病に関する基本的な知識と、対象者の行っているどのような生活習慣が生活習慣病を引き起こすかということ、食生活と運動習慣のバランス、料理や食品のエネルギー量、生活活動や運動によるエネルギー消費量
    対象者にとって身近で活用できる健康増進施設、地域のスポーツクラブや運動教室、健康に配慮した飲食店や社員食堂等に関する情報
  3. 特定健康診査の結果等から特に問題のない者については、特定健康診査の結果の見方その他健康の保持や増進に資する内容の情報を提供すること
(和田高士)
   http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/dl/info03j-3.pdf
 特定健診・保健指導で活用する資料やツールの準備状況について、全体では、約半数の方が準備をしていることがわかる。職種別では、保健師、管理栄養士・栄養士の保健指導実施者が60%以上と高い割合を示している。経年的な変化を考えた保健指導プログラムを作成する上で、同じ資料の使い回しを避けるためには入念な準備が必要である。(鈴木志保子)

Q.受診される患者さんのメタボリックシンドロームへの理解や生活習慣改善の意欲についておたずねします。どのような方が多いと実感されますか?(n=402)
  • 意味は理解しているが、生活習慣改善の意欲がなく、保健指導に難渋する方が多い…53.23%(214名)
  • 意味をよく理解しておらず、生活習慣改善の意欲もなく、保健指導に難渋する方が多い…30.85%(124名)
  • 意味はよく理解していないが、生活習慣改善の意欲はあり、保健指導がスムーズに進む方が多い…7.21%(29名)
  • 意味を理解し、生活習慣改善の意欲もあり、スムーズに保健指導に入れる方が多い…4.73%(19名)
  • その他…2.74%(11名)
  • 無回答…1.24%(5名)

グラフ3
「意味は理解しているが、生活習慣改善の意欲がなく、保健指導に難渋する方が多い」が半数以上。いわゆる“わかっちゃいるけど、やめられない”の方が多い

◇◇◇ 解説・コメント ◇◇◇
 メタボリックシンドロームを理解した、何を実行すればよいかも理解していただいた。しかし運動する時間がない、接待が多く自分の思う食事内容にならないなどの現実にぶちあたる。成功させるには、その人の生活を知り、何であればできるかのプランをたてる必要がある。(和田高士)
 メタボリックシンドロームについての理解に関しては、約58%の患者さんが理解していると考えている。また、生活習慣改善の意欲については、約11%は意欲的に保健指導を受け入れるが、約84%に意欲がないと考えられている。この結果から、メタボリックシンドロームについての理解を促し、自己選択した行動を変容させ生活習慣を改善させることが難しいと考えていることがわかる。結果を出すためには、行動変容できそうな対象者を探すよりも、保健指導実施者の指導スキルアップが必須と考える。(鈴木志保子)

Q.貴施設では、メタボリックシンドローム改善について、誰が、どのような指導を行っていますか?(複数回答可)

◆誰が指導を行っていますか?◆

  • 医師…29.14%(285名)
  • 管理栄養士…24.23%(237名)
  • 看護師・准看護師…20.65%(202名)
  • 保健師…12.88%(126名)
  • 健康運動指導士…6.24%(61名)
  • その他…2.86%(28名)
    薬剤師、理学療法士、健保組合スタッフ、行政職員、臨床検査技師、糖尿病療養指導士など
  • 栄養士…2.25%(22名)
  • 無回答…1.12%(11名)
  • 臨床心理士…0.61%(6名)

グラフ4

◆どのような指導ですか?◆


  • 管理栄養士などの有資格者が、個人指導を実施している…29.56%(274名)
  • 受診時に医師が口頭で指導している…27.29%(253名)
  • パンフレットや資料などを配布している…22.44%(208名)
  • 貴施設で教室や講座を定期的に開催している…13.48%(125名)
  • 専門施設などを紹介している…3.34%(31名)
  • その他…2.70%(25名)
  • 無回答…1.19%(11名)

グラフ5

◇◇◇ 解説・コメント ◇◇◇
 施設によって指導時間を多くとるのがどの職種かは異なる。メタボリックシンドローム、の改善には時間と根気が必要である。職種より、受ける側が就いていきたい、改善してみようという気持ちにさせてくれる,親身に相談にしてくれる人がいるかどうかである。肥満者が増加している現状では、従来の方法と同じ手法では改善は期待できない。特定健診制度をうまく活用していきたいところである。(和田高士)
 メタボリックシンドローム改善の指導は、医師、管理栄養士が実施していることがわかる。この結果は、回答者の60%が診療者や病院に所属していることからもうなずける。指導形態に関しては、有資格者からの個人指導が約30%と最も多く、次いで医師からの受診時の指導、パンフレットなどの情報提供と続く。特定保健指導の導入により、個人指導や教室などの集団指導が増加することが予想される。特定保健指導の対象者は、患者さんではないので、今までと同じ指導では効果が上がらないことを確認すべきである。(鈴木志保子)

調査概要・回答者の属性
総括 (和田高士先生)
総括 (鈴木志保子先生)
調査結果


第一生命

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