特定健診、積極的活用を(2/2)
    <リスク軽減へ官民一体の運動必要>
2008.01.25

ところで生活習慣の現状は

 日本人の食生活が大きく変わって、脂肪の摂取量も急増していることは事実です。沖縄がいい例で、日本でも徐々に起きつつある肥満状況の予測ができます。現在、沖縄の肥満率は男性47%、女性43%(40歳以上でBMI25以上)で、全国平均(男性31%、女性25%)を大きく超え、米国の60%(18歳以上でBMI25以上)との中間に位置しています。沖縄では1980年以降、肥満が増加し、2000年には男性の平均寿命が全国26位まで急落しました。糖尿病や脂質異常症のほかに心筋梗塞の増加も指摘されています。沖縄のカロリー摂取量は全国平均よりやや低い傾向にありますが、米国流の食生活の普及が早かったためにカロリー摂取量の中でも脂肪摂取の割合が高いことと運動不足が肥満を増加させているのではないかと考えられています。

 最近は街中でも太っている人たちをよく見かけるようになりました。将来、全国的にも同じようなことが起こり得る兆候が出始めているわけです。

個別対応のほかに何かいい方法があるか

 基本的には、一度身についてしまった生活習慣というのはそう簡単に変えられないものなので、子供のころから、よい「食習慣」などを養っていかなければならないと思います。それからもう一つ、国全体で取り組まなければならないと思いますが、フードマーケティングです。米国では、1980年代からフードマーケティングなど国民運動的に官民一致で国民全体のコレステロールを下げることに取り組み、その結果、心筋梗塞などの死亡率を約3分の1にまで下げた実績があります。わが国でも、そういう形で取り組むことが、すごく大きなインパクトになるだろうと思うのです。

今度始まる特定健診・保健指導は病人を増やすだけだという議論がありますが

 今回の保健指導というのは、受診者の中からリスクのある人たちをみつけだし、病気の予備群の段階から把握して病気にしない作戦です。だから、すでに薬剤を服用している人は対象から外れているわけですし、一定の基準を作ってそれ以上は病気にしましょうというものでもありません。あくまでも病気の予備群を見つけようという考え方なのです。ハイリスクの人を減らすことにより医療費の削減を狙っていますが、保健指導の結果を問われることもあって、保健機関・関係者の現場では、これまでになく予防をしなければという熱い機運が高まっているようですね。

 これまでの健康診断などで生活習慣病を指摘されながら放置していた人が受診することで、ハイリスクの人を確実に保健指導や治療に向かわせることができるようになるでしょう。

 また、医師の立場としても生活習慣病に対する意識が高まって生活指導や治療がやりやすくなると期待しています。

 軽い生活習慣病だからといって放置していたために働き盛りの人が急に心筋梗塞になってしまうのは、社会にとっても、家族にとっても大きな損失です。ぜひ特定健診を活用してください。

                   ◇

■150以上で要支援も

 【中性脂肪にかかわる特定健診・保健指導】中性脂肪が300-400あたりの人たちは動脈硬化のリスクが高く、今回の特定健診・保健指導でも、300以上なら、生活習慣病となり、リスクが1つ重なっても「積極的支援」となる。3-6カ月努力してもなお改善がみられない場合は、医療機関での改善を勧められる(受診勧奨)。また、150以上でもリスクが2つ以上重なれば積極的支援、場合によっては治療も必要となる。

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【プロフィル】代田浩之

 だいだ・ひろゆき 順天堂大学医学部卒業。虎の門病院内科、米国・メイヨークリニック留学、順天堂大学内科講師などを経て平成12年、同学循環器内科教授。順天堂医院ハートセンター長を兼務。専門は冠動脈疾患の診断・治療と予防、動脈硬化。日本内科学会、日本循環器学会評議員など多数。

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 ■「撲滅運動キャンペーン」に取り組んでいます

 産経新聞社では、「メタボリックシンドローム撲滅のためのキャンペーン」に取り組んでいます。詳しくは、メタボリックシンドローム撲滅委員会専用ホームページ(http://www.metabolic-syndrome.net/ と http://www.metabolic-pro.net/)に掲載されています。

 【主催】メタボリックシンドローム撲滅委員会、産経新聞社、フジテレビジョン、ニッポン放送、フジサンケイ ビジネスアイ

 【後援】厚生労働省/日本肥満学会、日本動脈硬化学会、日本高血圧学会、日本糖尿病学会、日本循環器学会、日本腎臓学会、日本心臓病学会、日本血栓止血学会、日本歯科医学会、日本歯周病学会、日本抗加齢医学会、日本CT検診学会、日本人間ドック学会、日本総合健診医学会、日本食物繊維学会、日本医師会、日本臨床内科医会、日本歯科医師会、日本栄養士会、日本薬剤師会、健康・体力づくり事業財団、日本健康運動指導士会、日本フィットネス産業協会、日本生活習慣病予防協会、全国保健センター連合会、全国保健師長会、日本糖尿病財団、日本心臓財団、日本製薬工業協会、日本ウオーキング協会/サンケイリビング新聞社、扶桑社

 【協力団体】高尿酸血症・メタボリックシンドロームリサーチフォーラム

 【メタボリックシンドローム撲滅委員会】◇委員長 松澤佑次・住友病院院長(日本肥満学会理事長)◇委員 春日雅人・神戸大学大学院教授(日本糖尿病学会理事長)、松岡博昭・獨協医科大学副学長(日本高血圧学会理事長)、北徹・京都大学理事・副学長(日本動脈硬化学会理事長)、齋藤康・千葉大学理事・副学長(日本肥満学会副理事長、日本動脈硬化学会副理事長)、渡邊昌・国立健康・栄養研究所理事長、中尾一和・京都大学教授(日本内分泌学会理事長)

                   ◇

 ご意見・お問い合わせ・情報等は、郵便もしくはFAXで。《〒100-8079 産経新聞メタボリックシンドローム撲滅実行委員会事務局》(FAX03・3243・1800)まで。

(2008/01/25)


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