厚生労働省は「特定健診・特定保健指導」の対象者(40?74歳の医療保険加入者)は全国で約5600万人になると試算。5年後には健診実施率を70%にまで上げたいと考えています。健診の結果、「保健指導対象」と判断された人の5%に生活改善を促し、メタボリックシンドロームの予備群と該当者を10%減らす目標です。
厚労省が制度を積極的に推進する背景には、国民の健康レベルを上げることはもちろんですが、増え続ける医療費を抑制したいという思惑もあります。メタボリックシンドロームの予備群と該当者が25%減れば、その10年後の医療費は、2割の抑制が可能という試算もあります。
もちろん、課題もあります。目標とする健診実施率70%というのは、相当な努力をしないと達成できない数字。従業員の家族の受診率をどう上げるか、個人事業主らにどう協力を得ていくか 、医療保険者は頭を悩ませることになりそうです。一方で、新制度では受診率が低いと平成25年度から医療保険者に対して財政的なペナルティーが課せられることになっています。ペナルティーの内容は今後詰めれますが、受診率の推移によっては開始時期などが議論となりそうです。
保健指導対象となった人を、どのように指導していくかも課題となります。自治体や企業など医療保険者によっては「保健師などのスタッフが不足している」と訴えるところがあるからです。保健指導は、メタボ予備群には「動機付け支援」、メタボ該当者には「積極的支援」を実施しますが、いずれも1人20分以上の時間を割かなくてはなりません。
さらに、改善計画の進捗状況を長期的に追っていく必要もあり、保健師などへの負担が高まることは確実な情勢となっています。
【保健指導】
ー該当項目の数で「積極的支援」と「動機付け支援」に区別ー
生活習慣病の予備群をみつけ、未然に発症をとどめようとする「特定健診・特定保健指導」。これまでの健診は個々の病気の早期発見・治療を目的にしたものだったが、新しく始まった健診は糖尿病や高血圧症など生活習慣病の予防を図ることを目的にしている点が特徴だ。
特定保健指導の対象者は、健診の結果から、腹囲などで判断された内臓脂肪の程度や、検査項目の(1) 血糖 (2)脂質 (3) 血圧に加え、喫煙歴の有無などで選ばれることになる。
保健指導には、定期・継続的に専門家が生活習慣の改善方法を指導する「積極的支援」(検査項目で該当数が多い人)と、生活習慣の改善を促す指導が受けられる「動機付け支援」(検査項目で該当数が少ない人)の2種類がある。
例えば、男性の場合は腹囲85センチ以上で、3つの検査項目と喫煙歴のうち2つ以上が該当する、腹囲85センチ未満(BMI25以上)で、検査項目が3つ以上該当した場合は「積極的支援」の対象になる。
腹囲85センチ以上で、3つの検査項目と喫煙歴のうち該当数が1つ、腹囲85センチ未満(BMI25以上)で、同様に3つの検査項目のうち該当数が1?2個だった場合は「動機付け支援」になる。
実際の指導では、積極的支援、動機付け支援ともに、初回は保健師や管理栄養士らの面接を受け、生活習慣改善のための行動計画や目標を作成。その後、個別面接・グループ支援、電話や電子メールを使った指導のサービスもある。約6カ月後に成果を評価する。
積極的支援は、3カ月以上にわたる定期・継続的な指導を受ける点で、動機付け支援に比べてより細かなサポートを受けることになる。
また、特定保健指導の対象者として該当しなかった場合にも、検診結果に基づき、一人ひとりに対応した「情報提供」がされ、健康の維持に役立ててもらう計画だ。

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