頭では分かっていても、改善できない食生活。
どうすれば健やかで美しくなれるのか。
管理栄養士で医学博士の鈴木志保子さんに、
眼からウロコの体の話を聞きました。
食事を書き出して分かること
日々の食事の栄養バランスやカロリーに気をつけるよう、さまざまな啓蒙活動や情報が提供されているわりに、日本人の総体的な健康増進や予防医学の成果はあまり出ていません。その一要因は、何をどう摂るのか 摂取の頻度とタイミングと量は、人によって異なっているからです。
その意味で、この春始まった「特定健診・特定保健指導」は食生活を対象者の生活に合わせて改善していく絶好のチャンスです。
ただし、100人100様の指導内容が必要だからこそ、自分の食事や体のことを自分で知っておくことが大事です。まずは、自分が食べたものを書き出してみてはいかがでしょう。携帯電話の写メールに撮るのもOK。1日3食として、1週間で21食。間食を含むと、人によっては、30食?40食も食べています。
その中で、「揚げもの」と、油を封じ込めていて揚げ物と同じく高カロリーの「ルーもの」が何品あるかをチェックしてみてください。天ぷらやフライだけではなく、さつま揚げや揚げ出し豆腐も揚げ物。市販弁当のシュウマイ、餃子、オムレツなども、衛生管理のために油で揚げていることが多いので、実は揚げ物ということも。カレー、シチューはもちろん、麻婆豆腐や中華丼などのあんかけものも「ルーもの」。
油ものが、案外、多いのではないですか。「ムダ食いはしていない」「油ものはあまり食べていない」という自己判断は、意外にイメージにすぎないことが多いのです。
実は、この種のセルフチェックこそが、保健指導のスタート。「これは健康にいい」と、人から言われたことを鵜呑みにするのはあまり意味がないし、情報を誤って受け取っていることも多いのです。
体の内側にもっと五感を
自分の食べるものが、自分の体の細胞をつくっていく。考えてみると、怖い話です。そして、食べたものが体にどう影響するかは、後になってみないと分からない。
しかし、体は、実に素直です。だからこそ、面白いとも言える。脂肪1kgは、7,000kcal。1日で体脂肪1kg分太ろうとすると、大変なことです。1日に使うエネルギー分の通常の食事以外に、カツ丼なら7杯も食べなければなりません。
食事をはじめとする生活習慣に素直に反応して変化する自分の体の内側に、もっと五感を働かせることができるようになりたいものです。保健指導は、感じることの指導でもあるのです。
紙で鼻をかんだら、開いて見ますよね。あれは、人間の本能。健康状態をチェックするわけです。本来、身から出るものはすべて体の状態の反映です。体が重いかどうかも、自分で分かるはず。動きに伴って出る汗をあまりかいていなければ、エネルギーを消費していない証拠です。現代人は、総じて本能が薄れているとも言えそうです。
動機付けの一つとして、まずは、「朝起床時排尿後の体重」を毎日量ってみてはいかがでしょう。前日からの変化は、その日のうちになんとかする。毎日が、自分にとってのセルフ動機付け支援というわけです。
支援者を周りに設けることも効果的。「やせたよね?」「変わったよね?」の周囲の声が励みになります。体重の推移を家族みんなで見るのもいいですよ。
まずは日頃の食生活を確認!
1日3食、まずは自分が食べたものを確認することから始めてみよう。メタボリックシンドローム撲滅委員会では、腹囲100センチを超えたメタボ解消希望者の生活習慣改善ブログを開設しています。その名も「100(ワンハンドレッド)倶楽部」。http://metabolic-syndrome.net/100club/
参加者の1人の、ある日のメニューをご覧あれ。
【プロフィール】
鈴木志保子
神奈川県立保健福祉大学 保健福祉
学部栄養学科准教授。博士(医学)。管
理栄養士。日本スポーツ栄養研究会
副会長。ソフトボール日本代表チー
ムの栄養サポートするなど、スポー
ツ栄養学が専門。健康の維持・増進の
ために食生活・運動の指導も行って
いる。

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