--- メタボリックシンドロームへの関心が高まっています
「1980年代のはじめ、われわれ大阪大学の研究グループはCTスキャンを使って脂肪組織の分析を行う方法を世界に先駆けて開発し、腸の周りに脂肪がたまることが病気につながることを発見。87年に『内臓脂肪症候群』という病態を提唱しました。その後、欧米でいわれていたメタボリックシンドロームと内臓脂肪症候群が同じ概念であることが分かり、メタボのことを内臓脂肪症候群とも呼ぶようになりました」
--- その特定健診制度(メタボ健診)が4月から始まりました
「この健診制度は、腹囲(ウエスト径)をはじめ血圧、血糖値、コレステロール値の4項目を対象としたわが国独自の診断基準によります。受診率の高まることを期待したいですね」
--- 診断基準の決定にもかかわりました
「診断基準の発表は2005年4月。日本内科学会をはじめ日本動脈硬化学会など8学会の委員で構成するメタボリックシンドローム診断基準検討委員会でまとめましたが、その委員長を務めました。内臓脂肪の蓄積を必須条件と位置付けて腹囲でそれを判定、基準値を男性85センチ以上、女性を90センチ以上とし、残りの3項目のうち2項目以上を満たしている場合をメタボと診断しています」
--- 第1に腹囲をあげたのは
「メタボ診断基準の第1に腹囲を採用したのは、本来は直接に内臓脂肪の蓄積状況をCTスキャンなどで測るのが望ましいのですが、ウエスト径という簡単な指標でもある程度推察できるからです」
--- 腹囲の件は随分話題になりました
「洋服のサイズのような基準値が本当に病気診断の基準になるのか、など議論が百出しました。しかし、マスコミなどで話題にしてもらったおかげでメタボがもたらす病気の恐ろしさへの関心が高まりました。腹囲が基準値を超えたら、すぐ病気というわけではありませんが、腹囲を縮めることがメタボの予防につながるというわれわれのメッセージは伝わりました」
--- メタボ対策の決め手はやはり予防ですか
「生活習慣によってウエスト径を減らす努力が一番簡単で確実な予防方法。そのためには1に運動、2に食事です。適度な運動、バランス良い食事がメタボの予防につながります」
--- メタボ予防対策市場がにぎわっています
「厚生労働省の調査では40-74歳のうち、男性が2人に1人、女性で5人に1人がメタボを強く疑われるか、その予備群です。それらの人たちを対象とした市場が確かに活気づいていますが、正直、玉石混交の傾向も見えます。大きなビジネスの立場からいえば自転車および自転車道の開発、普及を望みます。オランダでは健康対策はもちろん、環境面からも自転車振興策が成功しているようですよ」

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