■「4%の減量」で糖・脂質代謝が改善
比較的軽度な肥満者を対象に愛知県下の6市町村、企業6健保の特定保健指導を開始しておよそ3カ月。「食事・運動療法の考え方」と題する講演で、あいち健康の森健康科学センター副センター長の津下一代さんは、指導結果から、4%程度の減量により、内臓脂肪の善玉ホルモンのアディポネクチンの分泌が増え、糖・脂質代謝が改善されることなどを報告した。
特定保健指導の対象となった人の平均年齢は、企業が48歳、市町村が58歳でそれぞれ男性の割合が90%、60%を占め、腹囲の平均値は90センチ前後。積極支援では男性が84%だった。「本人の意欲を高めるには、改善できることを発見してもらい、行動変容をサポートしていくことが大切」と津下さん。減量すれば数値が改善されるというメタボリックシンドロームの概念は非常にわかりやすいので、自分なりに、無理をしない程度の短期的な減量目標を立てることができる。男性約100人を対象に体重と腹囲減少、それにアディポネクチンの変化をみたところ、「4%減量」を境に明らかにアディポネクチンが改善していることがわかった。
例えば、体重75キロの人なら、75×0.04で、およそ3キロの減量数値となる。3カ月ぐらいかけてやせるのが妥当でもあり、日本肥満学会の標語である「サンサン(3カ月で3キロ減量)運動」とピッタリと符合する。実際に積極支援した39歳の男性には、最初に体重計を購入してもらい、1カ月で1キロ減、1日当たり250キロカロリー減の節食計画を立て、間食・夜食を減らした。運動は初め歩数計をつけるだけだったが、次第に1日1万2000歩の運動を実践するようになった。
「有酸素運動7、筋肉トレーニング2、そしてストレッチ1ぐらいの割合が一番効果的」と津下さん。食生活は、あまり細かいことでなく、おかずの取りすぎや飲酒量などに気を配ることがポイント。この男性の場合、減量と安定を繰り返しながら徐々に体重が減少し、3カ月後の検査では、例えば、中性脂肪が679から88mg/dLに、ヘモグロビンA1cが7.9から6.3%になり、その後もリバウンドなく安定している。血圧や脂肪肝も大幅に改善された。
継続支援の結果として、市町村の国保で、比較的女性の多い「教室型」と50代男性の多い「運動施設型」のメタボ減少率の改善比較を行ったところ、前者は60%、後者は39%となった。運動施設型は、運動意欲があるにしても食習慣は変わらなかったため、食生活の指導を一度加えたところ、翌年度の保健指導では、メタボ減少率を15ポイント上げることができた。
「実行できなかったことを注意するのでなく、その人が意欲的に続けられるよう励ましていくことが大事」と津下さんは語る。

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