メタボリックシンドローム撲滅運動
・第2回実行委員会(2/2)
■まず健診、結果的に医療費減額へ
2009.01.17

■子供に「スポーツ食育」推進
◆鈴木志保子氏 
 「管理栄養士、保健師さんたちの研修を数多くやってきました。今までは、制度的なことを話すことが多かったのですが、最近は、『今、どうすれば行動変容させることができるのか』といった直接的な質問に変わりつつあります。自分で保健指導してわかってきたことでもあるのですが、少しずつエネルギーを減らしていってちょっとでも体重が減らせれば、その人なりの感動もある。そういう感動を積み重ねていって、半年間には2キロ3キロの減量の成果が上がる。指導者側も一緒に感動することによってまた、伝道者が増え、どんどんと輪を広げていくことがもっとも指導者としての成果を上がることにつながると感じています。

 今年度下半期の目標として、子供に関する『スポーツ食育』を進めています。肥満傾向にある子供を対象に、食生活と絡め運動する中で、どのような形で健康体を取り戻せるか、企画を立てている段階です」

■食生活のリズムを指導
◆柴崎千絵里氏
 「病院の管理栄養士として主に外来通院中の患者さんを対象に栄養相談を行っています。そこで携わってきて感じることは、肥満の原因は、好き放題に食べて体重が増えているわけではなく、残業で夜遅く帰ってきたところで奥さんの手料理をしっかりと食べ、朝食は抜きで昼食は簡単に済ませ仕事に戻るといった、意外にまじめな方々が多いと思うのですね。

 このような方の場合、改善の第一歩として、残業中あるいは仕事終わりにコンビニなどを利用して少しでも早い時間に食事を済ませ、帰宅後には野菜料理など軽めなものにとどめ、早めに休み、朝食は前日の夕食のおかずでも良いでしょうし、まずは食べてから出勤するといった、食事をとるタイミングを重視すると、食生活のリズムは改善され、体重の減り方はゆっくりでも、ダイエットのリバウンドは少ないように思います」

■食事、運動両面でサポート
◆斉藤 満氏
 「最近は、健保組合から、運動指導に関して、出前教室を依頼されることが多くなりました。『医師と一緒に歩こう』というイベントでは、最後に皆さん血圧を測って帰られましたが好評で、各大会でもそういうブースを作ってくれないかと、依頼もあります。当協会としては健康面、運動面両方でサポートしていきたいと思っています。ウェブ上でもウオーキングの関心が高く、長い距離を歩くのにうまく足に合った靴を指導するなど、各大会ごとにメタボ撲滅運動と連動してアピールしていきたいと思っています」

■まず健診、結果的に医療費減額へ
◆野口 緑氏
 「今回の特定健診・保健指導は、糖尿病などの有病者予備群を25%減らすことが最大のテーマ。そのためにメタボの該当者予備群を1割減らすことによって達成しようとしているわけですが、尼崎市の場合、少なくても該当者の2人に1人は保健指導していかないと追いつけません。それには受診率を上げるほかありません。一昨年度末19%だったのが、昨年度24%へ5ポイント上げていますから、1%1,000人の試算で、今年度目標に掲げた40%には、4万人の方々に受けてもらわないといけません。

 そのために、なぜ健診が大事でどんな効果があるかなど、例えば『国保通信』という冊子を作り、全戸配布したり、地域の町内会を回ったりしています。なぜ健診を受けることが必要か理解してもらいたい。年に1、2回開くフォーラムには、動員もかけないのに600人が集まり、頑張って成果を上げた体験談を報告していただく。それに、特定健診の対象でない若いお母さん方にも健診に参加してもらい、子供たちと一緒に学習できるような、PTA事業にも発展しています。

 尼崎市の保健指導のやり方は、保健指導の対象者だからではなく、事業効果のある方、つまり非常にデータの悪い人やリスクの重なっている人、内臓脂肪のあるなしにかかわらず保健指導をしています。詳しく問診表を書いてもらって調べた結果わかってきたことは、生活習慣病治療者が昨年の出現率より格段に増えて35%になり、治療中の人が大層多いことがわかりました。それに対し、内臓脂肪があっても特定保健指導の対象者はわずか16%。受診率40%としても6,000人ほどの対象者にすぎず、この点が実は非常に気になるところなのです。およそ4人に1人が『受診勧奨者』という実態で、医療保険者としての課題になっています。

 健診で何か疾患を見つけても医療費が上がるだけという人もいますが、そうではありません。実は腎臓病も心疾患、脳血管疾患も受けていない人に比べたら、医療費は安くなっているというデータもあります。例えば、62歳のAさん、腎臓(糸球体)が傷んで人工透析導入の可能性があることが健診の血液検査(クレアチニン)でわかり、治療の結果よくなり透析もせずに済んだ。そのまま人工透析に入ったら、2年間で1,100万円の医療費がかかることになってしまうのです。ですから、まずは健診、重症でも良くなる可能性もあるのです」

(産経新聞 2009/01/17)



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