■糖尿病の1次予防にも有効
広島市医療施設「グランドタワー・メディカルコート」診療部長の藤川るみ氏。「特定健診この1年と今後の展望」と題する講演で、「メタボの名称は予想以上に国民に浸透しており、特定健診は生活習慣の改善を推し進めるチャンスになる」と語った。
特定保健指導の対象者は、動脈硬化性疾患発症のハイリスク集団であると同時に、糖尿病発症のハイリスク集団でもあるからで、同クリニックの受診者に対しメタボリックシンドロームの危険因子数と糖尿病の発症についての検討結果を発表した。その結果、男性では危険因子が3個ではメタボ予備群の3倍以上、糖尿病発症の危険性が高まるなど、男女とも明らかに有意な結果になり、「特定健診の保健指導を行うことは糖尿病の1次予防になる」としている。
留意点としては「初回面接時にメタボ対策の重要性を医師が説明したうえで、管理指導士が日常生活上、改善点を設定する。その際、実際の目標よりは少し低めに、本人のライフスタイルにそって無理のない計画をともに考えることが重要」と話している。
◇
■予防から治療まで一貫性が必要
日本医師会常任理事の内田健夫氏は「日本医師会の立場から」と題して講演。特定健診・特定保健指導が「超高齢化社会の医療提供体制でありこれまでにない予防主体の壮大なモデル事業である」と評価し、協力し推進する姿勢を見せたうえで、制度として改善すべき課題を示した。
まず、厚生労働省は健診受診率20%アップを掲げたが、これで有病者・予備群の25%削減、医療費の大幅削減などの目標を達成することができるのかどうか。いまだに国民が制度の具体的な内容を十分に知っているとはいえず、受診券発券の遅れなどで受診率が従来の基本健康診査と比べても低い。健診データの電子化について支援体制が遅れている。がん検診も含めた予防対策の総合的なシステムの構築が必要?などの点を挙げた。
さらに、腎機能を測る「クレアチニン検査」や血糖の平均値がわかる「ヘモグロビンA1c検査」など詳細な病態がわかる検査項目についても、地域によって上乗せ基準を設けることなどを提案した。内田氏は「医師を中心に予防・健康管理から治療までの一貫性を保持し、信頼と連携の体制を構築する必要がある」とアピールした。
◇
■患者にも「積極的支援」を
済生会滋賀県病院副院長・循環器部長の中村隆志氏らは「滋賀ヒーリング(自己治癒)研究」と題して講演。高血圧治療中の患者に対し、「積極的支援」など特定保健指導の手法を取り入れ、運動習慣をつけるプログラムの効果について発表した。中村氏が、外来での医療者側からの「指示型」の診療スタイルの効果に疑問を持ったのがきっかけ。
研究は、高血圧治療中で運動習慣のない40〜75歳のメタボ男性40人が対象。歩数や消費カロリー、活動時間などを測定できるライフレコーダー(生活記録器)を装着してもらい、1年間観察を続けた。この間、解析データの評価によるコーチングや、善玉ホルモンのアディポネクチンなどメタボ関連や高血圧の進展具合を測定した。
その結果、平均運動量は週当たり目標の達成率はほぼ半数になり、高血圧、体重、腹囲は有意に減少した。6カ月以降は、減量は停滞期に入ったが、アディポネクチンが増加し続けた。
中村氏は「行動変容が未達成では、再び悪化する可能性もあり、開始1週間でその後6カ月の効果が予測できる。積極介入すると、6カ月以降の継続率もよく、自己治癒を促すコーチングも効果を高めた」としている。

医療・健康情報グループ検索



























委員長
















