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      <title>メタボリックシンドロームPro. - 飽食社会取材班の連載記事</title>
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      <language>ja</language>
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         <title>NASH（非アルコール性脂肪性肝炎）(1/2)</title>
         <description><![CDATA[<font color="556B2F">脂肪肝が肝がんに進行　病因は「内臓脂肪」</font>

<b>　酒好きでなくても、同じように肝臓を傷めてしまう「NASH（非アルコール性脂肪性肝炎）」という病気がひんぱんに見つかっている。単なる脂肪肝から肝硬変に進行し、さらに肝がんにまで進む。病因は内臓肥満が有力。つまり、メタボリックシンドローム（内臓脂肪症候群）の仕業である。成人の1％がかかっているとされるこの病気、飽食の時代にあって、増加の一途をたどっている。ＮＡＳＨに詳しい高知大学医学部消化器内科の西原利治教授に聞いた。</b>

<div align="center">◇</div>

　「同じ肝障害でもアルコール性肝炎と違って急変する病気ではない。NASHは、内臓肥満をベースとした脂肪肝が何十年とかけ徐々に進行して、肝硬変から最後には肝臓がんにも至る可能性もある怖い病気なのです」と西原教授は警告する。

　西原教授によると、全国各地の報告を集計すると、「NASH」の罹患者は、成人の1％超、約150万人と推定される。米国では成人人口の約3％とされており、BMI（体格指数）30以上だと、10％がNASHの危険群だといわれる。高知県で健診受診者を調べたところ、約25％の症例で脂肪肝が見つかり、そのうち約半数14％の人が、飲酒歴やウイルス肝炎などがないにもかかわらず、血液検査などでNASHの前兆を示す肝障害を持っていることがわかった。

　NASHは、どのように発症するのか? 西原教授によれば、ちょっと太めで脂肪肝のある人が要注意。血液検査では、肝細胞が壊れて血液に流出する酵素「ALT」の値が高く、空腹時にもかかわらず、血糖値を下げるインスリン値が上昇している。この段階は脂肪肝であり、日本肝臓病学会のガイドラインでは、脂肪がたまった肝細胞が、100個の細胞のうち10個あれば、脂肪肝と判定することになっている。体重を３キロほど落とせばよくなる可能性が高い。

　さらに、肥満状態が続くと、肝臓に炎症が起きてくる。そういう慢性肝炎の状態が、『NAFLD（非アルコール性脂肪性肝疾患）』といわれる。こうした慢性肝炎が何年も続くと、肝細胞が風船みたいに膨らんだり、線維化が進むNASHに移行し、肝硬変に行き着く。その途中でＣ型肝炎のように、肝がんを発症することもある。

　西原教授は「いずれにしても内臓肥満がベースになっていることは間違いありません。40代後半から50代のメタボリックシンドロームの人には、NASHが隠れていると考えていい。NASHは、メタボリックシンドロームの肝臓での表現型といえるわけです」と話す。

　NASHの指標であるＡＬＴなどの検査値は、ほとんど生活習慣病の検査値異常と重なる。つまり、生活習慣病の進行と同時に、肝障害も進んでいるわけだ。日本では、BMI 25以上の肥満患者では、6-7割がNAFLDの範囲に入る脂肪肝とされ、そのうちほぼ２割がＮＡＳＨといわれている。

　NASHは、予後良好な脂肪肝に限りなく近い軽い慢性肝炎から肝硬変まで含む。慢性肝炎といっても幅広いので、NASHと診断できない場合でも、疑いは残る。「境界にあるような症例の鑑別が特に難しく、専門医でもNASHと、予後良好な脂肪肝とを見間違えることがあるのです。きちんと両方を区分けして診断するのには、体から肝臓の細胞を取って調べる『肝生検』以外にないところが悩ましい」と西原教授は語る。予後不良な脂肪肝からは20-30年たって肝硬変が出てくるものだが、NASHは10年ぐらいで2割が肝硬変になる。だから、病態が進展する速度の差ともいえるわけだ。

　また、糖尿病・脂質異常・睡眠時無呼吸などいわゆる生活習慣病も、リスクが重なることでNASHに移行する可能性が高いとしている。高血圧だと、肝臓の線維化も促進される。

<div align="right"><A HREF="http://metabolic-pro.net/report/2010/01/22_19.html" target="_blank">次へ＞＞＞</A></div>]]></description>
         <link>http://metabolic-pro.net/report/2010/01/12_20.html</link>
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         <pubDate>Wed, 13 Jan 2010 14:24:54 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>NASH（非アルコール性脂肪性肝炎）(2/2)</title>
         <description><![CDATA[<font color="B22222">飲酒、肝炎ウイルスなくても発症</font>

　肝硬変のNASHから肝がんになる確率はどうか。「B型肝炎程度といわれており、年率2-3％の確率になるのではないでしょうか。ただ、予後の研究はまだこれからで、確定できてはいません。通常、肝硬変から肝がんになるといわれていますが、最近では、肝硬変になる前から肝がんになるという症例が増えてきていると報告されています」（西原教授）

　C型肝炎ならウイルスの有無で一目瞭然。スタンダード化された診断基準があるが、NASHとなると、3人に1人という肥満者の海の中でどうやってスクリーニングしていくかが難しい。今のところ明らかなのは、脂肪肝があったら半数以上は肝機能障害があること。

　日本人の7人に1人は脂肪肝があり、またALT値も高いNAFLDなので、将来肝がんになる可能性は否定できず、通常の健診では、カバーできないのが難点だ。さらに最近、尿酸値もインスリン値と並ぶNASHの独立した危険因子として注目されており、酸化ストレスが関与しているとみられている。

　1950年代から、欧米ではアルコール性肝障害に加えて、糖尿病性の肝硬変がよく知られていたが、1980年に病理医のルドウィック氏が、肥満による肝臓病、非アルコール性脂肪性肝炎（NASH）の概念を提唱した。

　日本でも1990年代に入って、肥満や糖尿病が増加し、飲酒歴や肝炎ウイルスが陰性であるにもかかわらず肝脂肪蓄積や肝障害が進むNASHが取り上げられるようになった。太った人に多く、インスリン抵抗性も強いが、近年、糖尿病などほかの生活習慣病とは明らかに独立して進行する肝臓病とされている。

<font color="B22222">メタボ解消が一番の治療法</font>

　治療法というと? 「BMIが増えるのが最初のステップなので減量するのが一番です。まずメタボリックシンドロームを解消すること。糖尿病では、少しぐらい体重を落としても効果はないが、NASHでは、3キロ減でも随分、ALTなどの数値がよくなります。肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、黙々と働きつづけますが、いったん壊れてしまったら後戻りはできないので、その前にしっかりした対策が肝心なのです」と西原教授。

　まず食事と体重管理が大切。糖尿病の人は別にして、１日1500キロカロリー。1日体重50グラムずつ減る勘定で1カ月1キログラム強の減量がベストだ。運動についても毎食前後に、とにかく15分くらい体を動かすこと。強い運動でなくて、それぐらいでも体にたまった脂肪の燃焼には効果がある。そして、高血糖、脂質異常などの生活習慣病の改善。とにかくメタボを解消して体重を落とすことが大事なのだ。

　しかし、なかなか食事・体重管理ができず、ALTの数値も上がってくるようだったら、薬物療法を追加する。「NASHとしての確たる治療法はない」（西原教授）ので、個々の患者の症状に合わせて抗酸化剤や血糖降下薬、抗コレステロール・抗中性脂肪薬などを処方する。NASHでは、約４割に高脂血症が見られるため、脂質、とりわけベザフィブラート（高脂血症治療剤）など中性脂肪を低下させる治療薬が効果的とされる。最終的には、患者個々のメタボリックシンドロームを含めた生活習慣病対策が必須となるわけだ。

　最近は、子供のメタボリックシンドロームと同様、小児期のNASHも問題視され始めた。飽食社会の進む中で、今後、NASHが、メタボの増加とともに、生活習慣病の一つの兆候として確実に増加していきそうだ。

<div align="center">◇</div>

　≪NASHの画像診断≫

　脂肪沈着が多くなると、画像では、肝細胞の一つ一つが『大滴』の脂肪滴を蓄えていることが見てとれる。障害を受けて膨らんだ細胞は、『風船様肝細胞』といわれ、肝臓の線維化とともにNASH診断の決め手になる。脂肪肝を生む肥満、インスリン値上昇による脂肪肝を第1ステップとすれば、第2ステップは、『酸化ストレス』や『炎症性のサイトカイン（生理活性物質）』の影響で線維化や炎症が進行している状態。線維化が一層激しくなると肝臓が硬くなり、次は肝硬変というわけだ。

<div align="center">◇</div>

【プロフィル】西原利治

　さいばら・としじ　京都大学医学部卒業。米国ボストン大学准教授、高知大学医学部助教授を経て、平成２１年、同医学部教授（消化器内科学講座）。日本肝臓学会評議員など。NASH研究の第一人者。

<div align="right">（産経新聞 2009/01/13）</div>]]></description>
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         <pubDate>Wed, 13 Jan 2010 14:10:32 +0900</pubDate>
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         <title>高血圧　進化する降圧薬(1/3)</title>
         <description><![CDATA[<b>　高血圧は自覚症状が少なく、治療せずに放置しておくと、脳卒中や心筋梗塞など引き起こす怖い病気だ。こうした心血管病のリスクを少しでも減らすには、まず塩分を控える食生活や運動で生活習慣を改善、さらには、降圧薬できちんと血圧をコントロールする必要が出てくるだろう。降圧薬といってもさまざま、自分の健康にどう役立っているのか。その働き方とは？　降圧薬の最新のトピックスを交えながら紹介したい。</b>

<div align="center">◇</div>

<font color="556B2F">■タイプにあわせて</font>

　東京近郊に住む主婦Ａ子さん(60)は、1年前、時々頭が重く気持ちが悪くなることがあって、別の病気で総合病院を受診した際、血圧を測ってもらった。すると、収縮期血圧が170mmHgを超えていた。若いころから低血圧だったので、あり得ないことだとは思ったが、何度測り直しても、血圧は下がらず、降圧薬のARBのお世話になることに。

<b>≪早めの治療が大事≫</b>

　最近は、少しサボって降圧薬を飲まないでいると、たちまち、160ぐらいに上がってしまい、なんとなく体調が悪くなる。それでいつも反省する。「何かあったら困る。やはり、薬は正しく飲んで、毎日、きちんと血圧を測っておかねば」と痛感するのだった。

日本人の4人に1人、30代以上の約半数、計4,000万人が高血圧といわれている。しかし、自覚症状がほとんどないので、治療をしないでそのままにしている人も多く、現在治療を行っている人は約800万人、高血圧といわれる人の2割ほどに過ぎない。そのまま放置しておけば、血管壁がじわじわと痛めつけられて、動脈硬化の原因となり、最終的には脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの合併症を引き起こす。だから早めの治療が重要になってくるのだ。

　高血圧の治療は、今でこそ、血圧は「Lower the better」（下げれば下げるほどよい）といわれているが、20世紀初頭では、血圧は下げてはいけないものだと思われてきたのだった。薬で血圧を下げることで脳卒中など合併症の発生が抑えられることがわかってきたのは、1970年代のことで、まだ四半世紀しかたっていないが、これを機に降圧薬による治療は幕を開け、その後、数々の降圧薬が誕生したのである。現在、高血圧の治療薬は、その作用の仕方により大きく分けて7種類ある。

<div align="right"><A HREF="http://metabolic-pro.net/report/2009/12/23_3.html" target="_blank">次へ＞＞＞</A></div>]]></description>
         <link>http://metabolic-pro.net/report/2009/12/13_5.html</link>
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         <pubDate>Mon, 28 Dec 2009 14:45:28 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>高血圧　進化する降圧薬(2/3)</title>
         <description><![CDATA[<b>≪最新の治療薬が登場≫</b>

　一番古くから使用されている薬は、「利尿薬」。これは、身体の中の余分な水分や塩分を尿中に排泄することで血圧を下げる。第2に、「ベーター遮断薬」。自律神経の一つである交感神経も血圧に関係していることから、交感神経のベータ受容体を抑制することで、主に心臓の心拍数を抑制し、心臓から送り出す血液の量を減らして血圧を下げる。第3に、「アルファ遮断薬」。これは交感神経のアルファ受容体を抑制し、血管を広げることで血圧を下げる。第4には、直接血管に作用して血管を拡張する「カルシウム拮抗薬」だ。血管壁の細胞にカルシウムが流入するのを遮断すると、血管を拡張させる作用が働く。そのメカニズムを応用したものだ。

　そして、第5、第6と、「アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬」、「アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)」が登場してくる。いずれも血圧の調整に大きな役割を果たしているレニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系に作用する薬剤である。

　そのうち、血圧を上昇させる働きがある物質であるアンジオテンシンＩがアンジオテンシンIIに変換するのを阻害するのがアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬。そして、アンジオテンシンIIの受容体にくっついてその働きをブロックして血圧上昇を抑えるのが、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)だ。中でも、1990年代後半に登場したARBは、その降圧効果から、今やカルシウム拮抗薬とともに、高血圧治療薬の第一選択薬として広く使われている。

　そして第7、一番新しい降圧薬が「直接的レニン阻害剤(DRI)」。DRIは、RAA系の基であるレニン（腎臓から放出される）を直接阻害することで血圧を下げる。十余年ぶりに登場した全く新しいタイプの降圧薬である。

　このように降圧薬にはさまざまなタイプがあり、どの薬で治療するかは個々の患者の病歴や合併症の有無などで選択される。この選択の基準になるのが大規模な臨床試験の結果やガイドラインだ。

<div align="right"><A HREF="http://metabolic-pro.net/report/2009/12/33_4.html" target="_blank">次へ＞＞＞</A></div>]]></description>
         <link>http://metabolic-pro.net/report/2009/12/23_3.html</link>
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         <pubDate>Mon, 28 Dec 2009 14:37:22 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>高血圧　進化する降圧薬(3/3)</title>
         <description><![CDATA[<font color="556B2F">■適正な服用</font>

　これまで、降圧薬に関する大規模な臨床試験の多くは欧米で行われ、日本人を対象とした試験はほとんどなかった。しかし、ここにきて日本でも日本人を対象としたいくつかの大規模試験が実施されており、中でもARBの一つであるバルサルタンを用いた大規模臨床試験の結果が相次いで発表され、注目を浴びた。

<b>≪薬剤の特性で異なる結果≫</b>

　その１つが東京慈恵会医科大学が中心として行った「JIKEI HEART Study」。この臨床試験は、3,000例以上を対象とし、従来の降圧治療にバルサルタンを追加した群で、脳卒中が40％、入院を要する狭心症が65％、心不全が46％と、従来治療群よりも有意に減少するという成績を残している。

　また、今年発表された「KYOTO HEART Study」でも、同じような結果が示された。京都府立医科大学を中心として、同じく3,000例以上を対象として行われたこの試験でも、バルサルタン追加投与群で、脳卒中が45％、狭心症が49％と従来治療群に比較して有意な減少を示したのである。これらの結果から、バルサルタンが血圧を下げる作用とは独立して、心臓・脳の血管病、つまり脳卒中や狭心症などを減少させる可能性があること。さらに、いくつか種類があるARBでも薬剤の特性によって結果が異なる可能性のあることが示唆されている。

同じ降圧効果であっても、どの薬を用いるかということは非常に重要なことである。家族に脳卒中や心臓病の既往がある場合は、治療薬の選択にあたって、かかりつけ医に相談してほしい。

　症状が進んでくると目標の血圧値まで十分に下げるのに一つの薬では難しい場合が多い。そういう場合には、薬の量を増やしたり、いくつかの薬を併用することになる。高血圧患者の場合、高齢の人や他の病気を合併している人も多く、いくつもの薬を飲んでいる人も少なくない。多くの薬を長期に飲まなければいけない場合、飲み忘れたり、途中で飲むのをやめたりと、適正な服用がしにくくなるという問題も起きている。この問題の一つの解決策として期待されているのが配合剤だ。最近、日本においてもARBと利尿薬の配合剤が認可されており、患者に対するメリットは大きい。

<b>≪毎日家庭でチェック≫</b>

　高血圧治療で最も大切なことは目標の血圧値を維持・管理し、脳卒中や心筋梗塞などの合併症にならないようにすることだ。そのためには、自分にあった降圧薬を正しく飲み、毎日きちんと「家庭血圧」を測り、目標の血圧値を維持できているかどうかチェックすること。むろん生活習慣を改善したうえで、こうした血圧のコントロールが適切にできれば、健康な人と同じように生活を楽しむことができるであろう。

<div align="right">（産経新聞 2009/12/28）</div>]]></description>
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         <pubDate>Mon, 28 Dec 2009 14:28:16 +0900</pubDate>
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         <title>第2回撲滅委員会(1/2)</title>
         <description><![CDATA[<font color="556B2F">重要性増す予防医学　メタボ対策に照準</font>

<b>　今年度の第2回メタボリックシンドローム撲滅委員会が11月20日、東京・品川で開かれた。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の病態をめぐる医学界の状況や対策、危険因子である血圧の測定法などについて話し合った。参加者は委員長の松澤佑次・住友病院院長▽北徹・神戸市立医療センター中央市民病院院長▽島本和明・札幌医科大学教授▽齋藤康・千葉大学学長▽中尾一和・京都大学大学院教授▽木村博承・厚生労働省健康局生活習慣病対策室長。</b>

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇

　

<font color="B22222">■生活習慣病から原因分析</font>
<b>ー住友病院院長　松澤佑次氏</b>

<font color="556B2F">≪中国故事から学ぶ≫</font>

　メタボリックシンドローム撲滅委員会の運動の位置づけに関係して、扁鵲(へんじゃく)の三兄弟という中国故事の話をしたい。春秋時代に扁鵲というすごい名医がいて、手術したり、最新の薬を工夫して使ったりしてどんな重病も治す。中国全土に鳴り響くほどの名医とされた。

　そこで王様の文王が評判を聞き、「お金をたくさんもうけているおまえは名医であろう。国の高い地位につけてあげよう」と声をかけた。ところが、扁鵲は兄の方が偉いという。次兄は病状がそれほど重くない間に治してしまうので、その地域では名医とされ、お金も大いに稼いだらしい。

　さらに、もっと偉いのは長兄だといい、本当の病気にまでならないように村人らに説いて回る。

　このため、その地域では病気があまり発症しなかったものの、逆にそうなれば、扁鵲以外誰にも偉いと思われないので、貧乏のまま寂しく死んでいったという。

　その三兄弟の話は時々、住友病院の研修医の選抜の試験に出して、感想を述べさせています。受験者の中には「名医になるより、長兄のような公衆衛生的な医療をやりたい」と、こっちの思いに過剰に反応して、ちょっと見え透いたことを書く人もいる。比較的しっかりした人の中には、「やっぱり名医になりたい、先端医療をやりたい」という人もいるわけです。

　医師としてはそれぞれが大切でどれが一番偉いというわけでもなく、予防医学は大切だけどその価値は、なかなか一般にはわかりにくいという故事なのです。

<font color="556B2F">≪沖縄26ショックの教訓≫</font>

　ただ最近、予防医学が非常に重要なことが、「沖縄26ショック」によりはっきり出たわけです。沖縄という長寿を誇っていた県でも生活習慣を受動的に世の流れに任せておくと、男女とも肥満率が日本でトップになり、突然、男性の平均寿命だけが26位になった。

　この例は、予防医学が極めて重要だということを示すと同時に、太ることが、男と女でかなり結果が違うこともあらわしています。

　まさしく撲滅委員会は、扁鵲の長兄のようなことを、マスメディアとわれわれ医学界と厚生労働省の産官学でやっている運動でしょう。効果は、直ちにわかりにくい部分がありますが、みなさん方のご支援を受け、ますます努力して続けていければ近い将来、良い結果が出ると期待しています。

　このメタボについては、まだまだ誤解が多い。糖尿病には原因がいっぱいあるわけで、やせた糖尿病から、太った糖尿病、あるいはウイルスで侵されて激症で発症する糖尿病もある。原因は多岐にわたっています。

　高血圧についてもいろいろな原因があると思われますが、まだまだ原因がわかっていないものが大半です。脂質異常も同様です。このような非常に複雑な病因で起こっている複数の病気をくくってしまったメタボはさらに掛け算をするくらいややこしい、わかりにくい病気の考え方だという誤解が最たるものです。

<font color="556B2F">≪疾患概念を提唱≫</font>

　私どもは、それぞれの病気の複雑な原因の中で、非常にシンプルに肥満、内臓脂肪が関係した部分を切り出してまとめた疾患概念を提唱したのです。糖尿病の側からみても、メタボ型や内臓脂肪型は必ず存在する。これが今の飽食と運動不足により増えていっている。

　高血圧にしても、多くは原因不明ですが、その中で内臓脂肪が原因したものは、はっきりある。

　それらを切り出していって、まとめた病態をメタボと定義しているのだと理解していただくと、対策が内臓脂肪を減らす生活習慣の改善ということになり、原因が改善すれば一網打尽に複数の病気が軽快するというきわめてわかりやすい疾患概念になるのです。

　一方では、メタボ以外の糖尿病や高血圧、すなわち内臓脂肪とは無関係の生活習慣病の原因追究がもっと焦点が絞りやすくなる。その意味での位置づけからすると、このメタボという概念で、今の生活習慣病を理解することは、予防医学として非常に的を射たものではないかと、撲滅委員会としては考えています。

<div align="center">◇</div>

<font color="B22222">■欧米との差　浮き彫りに</font>
<b>神戸市立医療センター中央市民病院院長　北徹氏</b>

　日本動脈硬化学会は、動脈硬化性疾患(心筋梗塞・脳卒中など)の成り立ちについて、脂質代謝、なかでもLDL(悪玉)コレステロール代謝を中心に臨床並びに基礎研究を柱に学会活動をしてきました。その過程で、LDL値の上昇と動脈硬化の進展が相関することが、さらにLDLの酸化が重要であることなどが明らかになってまいりました。

　家族性高コレステロール血症(FH)は、LDL値が異常に高く、動脈硬化が早期に発症しますが、ノーベル賞受賞者のゴールドシュタイン博士とブラウン博士により発見されたLDL受容体が、FHでは、欠損しています。

　遠藤章博士(東京農工大特別栄誉教授)により発見されたスタチンは肝臓のLDL受容体を増加させ、血中LDL値を低下させ、結果として動脈硬化性疾患の発症が抑えられることも明らかになってきました。

　学会として、血中LDL値のコントロールが30％の動脈硬化性疾患発症抑制に重要であることを提唱してきたわけです。血中LDL値のコントロールだけでは、抑えきれない動脈硬化性疾患の危険因子として、メタボリックシンドロームが提唱されてきました。メタボリックシンドロームの予防も動脈硬化性疾患発症抑制には、重要でありますが、血中LDL値のコントロールの重要性が忘れられる傾向にありますので、動脈硬化学会としては、この点を強調して申し上げさせていただきます。

　もう一つ重要な点は、日本動脈硬化学会の国際委員会でアジア・パシフィック地域のメタボの問題を取り上げます。欧米のそれと、違いがあるのか、検証し、それぞれの特徴を浮き彫りにしようとしています。

<div align="center">◇</div>

<font color="B22222">■家庭血圧の大切さ理解</font>
<b>ー札幌医科大学教授　島本和明氏</b>

　「高血圧ガイドライン2009」を今年1月に発表しましたが、そのなかで血圧の厳格な管理が強調されています。そして、血圧の厳格な管理に家庭高血圧の評価も重要であることも述べられています。メタボリックシンドロームにおける血圧の管理を厳格にしていく中で、自宅で測定する家庭血圧が非常に重要だということを紹介させていただきます。

　まず、特定健診・保健指導でメタボの血圧の基準は、130〜85mmHg以上です。それから、血圧の測定法は、病院外来で行う場合には、血圧は2回測って、その差が5mmHg以内になったときに平均を取る。たとえば、1回目が160mmHg、2回目が150mmまで下がったら、10mmHgの差があるので、再度、測定します。それで次に差が5mmHg以内になったら、その平均を取ります。

　ただ、特定健診のときに、その方法を使うのは大変です。厚生労働省の国民健康・栄養調査、循環器疾患基礎調査でも、数年前までは1回しか測っていませんでしたが、やはり1回目は上がりやすいので、2回測って平均をとることにしています。

　血圧の評価には診察時血圧と家庭血圧の2つあります。診察時の血圧は140〜90mm以上で高血圧です。家の血圧は、135〜85mmHg以上で高血圧です。だから、2つの評価で見ると、4つに分けられる。両者が一致して血圧が正常であれば、正常血圧で、高ければ高血圧です。家庭の方が高い場合が「仮面高血圧」で治療が必要、病院で高いのは「白衣高血圧」で治療の必要はない。

　このように、高血圧ガイドライン2009では血圧測定にあたっては、家の血圧を大事にすることが原則で、特定健診・保健指導に十分に役立てていただきたいということになっています。

　家庭血圧では5〜7日間の朝と夜、それぞれの血圧の平均を用いることになっています。朝でも夜でも高い方の血圧が135mmを超えていたら高血圧とするというように決めています。

　降圧目標の評価にも家庭血圧を入れていますが、降圧目標は、家で測ると低めになっているということを、患者さんによく理解していただきたい。

　それから、判定については、日本のガイドラインでは、家庭で135〜85mmHg以上で高血圧とする。その一方で、125〜85mmHg未満が正常血圧としています。

　このため、特定健診・保健指導に対する高血圧学会からの提言としては、なるべく家庭血圧を入れて、白衣高血圧とか仮面高血圧を除外していただきたいという考え方を明らかにしています。

　特定健診のとき、診察時血圧と同じ判断をしますから、130〜85mm以上あると、メタボの基準として、血圧は高めであると考えています。

　ただし、家庭血圧を測っている人には家庭血圧を確認し、125〜85mmHg未満なら、血圧が全く正常と判定します。この場合は、むしろ白衣高血圧と考えて、この健診時の数値はとらないでほしい。逆に、健診時の数値は、血圧の正常高値にもならず、正常である。しかし、家庭血圧が125〜85mm以上であれば高め、135〜85mmHg以上だったら高血圧と考えて、受診勧奨の対象にもなるということです。

　ただ、家庭血圧の課題は、まだまだエビデンスが少ないこともあり、今後しっかり整理していくことになっています。

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         <link>http://metabolic-pro.net/report/2009/12/212_3.html</link>
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         <pubDate>Wed, 16 Dec 2009 14:09:41 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>第2回撲滅委員会(2/2)</title>
         <description><![CDATA[<font color="B22222">■肥満症治療に全力</font>
<b>ー千葉大学学長　齋藤康氏</b>

　肥満学会として、現在、「肥満症」(※注＝下部参照)の診断基準の検討委員会を設けて、積極的な活動を続けています。「肥満症」の診断基準は、9年前の2000年に、「肥満」と違って、病気としての「肥満症」という新たな概念を提唱し、それから今日まで、脂肪細胞の研究や診断機器のめざましい発達があり、脂肪細胞の機能や病的意味について新たな知見が加えられました。それに伴って診断基準について考えることが求められるようになりました。さまざまな角度から検討し、考え方も含めて見直したいと考えています。

　例えば、すでに肥満学会でも活発に議論されましたが、女性の場合、内臓脂肪の蓄積のいかんにかかわらず肥満状態ならば、生理不順や月経困難が起こってくるということでした。しかし、近年の研究では、内臓脂肪の蓄積がより強い意味を持っているのではないかという議論もされています。

　腹囲と合併症との関連についても、こうした内臓脂肪との関係で考えるとき、女性においては、特に加齢という要因を考慮に入れ、診断基準に加える必要があるかもしれないという検討がなされています。

　肥満症が、現在でも今日的な学問テーマであり、診断基準を通じて病気としての正確な位置付けを今後もさらに高めていきたい。

　肥満症の治療という点で、学会としてはまず何といっても「食事と運動」を基本姿勢にしていることはいまだ変わってはおりません。ただ、肥満者の治療がすでに完成しているということではなく、リバウンドも含め、大変苦労しているのが現状で、従来の肥満症治療に「薬が欲しい」という声があることも事実です。日本では、昭和50年代に、医療の現場でも、マジンドールという脳中枢に作用する食欲抑制剤が肥満の治療薬として使われてきましたが、その使用基準が大変高度の肥満症のみの適用であり、保険適応基準などで使いにくい面もありました。現在、抗肥満薬のシブトラミンという薬が開発されて、近々、市場に登場してくることが期待されてます。脳内の神経伝達物質に作用して満腹感を高める薬で、体重減少の効果を上げるといわれています。

　肥満治療薬としては、体重減少が指標となるわけですが、肥満学会では、その薬物療法で5％体重を下げることを目標に掲げています。そうした減量の持つ意味や合併症の軽減など、多くの臨床経験によって今後、薬剤の効果が明らかにされてくるでしょう。それと同時に、肥満治療は長期にわたるので、こういう薬剤が食事、運動面をサポートするという考え方が必要ですし、減量効果にも大きな役割を果たすことに役立つでしょう。

<div align="center">◇</div>


<font color="B22222">■NASH(非アルコール性脂肪肝炎)への取り組みも</font>
<b>ー京都大学大学院教授　中尾一和氏</b>

　脂肪組織は、われわれの体の中で最大の内分泌器官です。体内にどこまで脂肪がついていいかの限界は、大体男性で20％、女性で30％が脂肪であっても正常、健康の範囲内です。われわれの生命現象の基本の単位は細胞で、細胞が集まって内臓と呼ばれる臓器を作っているわけですが、メタボリックシンドロームの状況では、極端な言い方をすると、細胞や臓器が脂肪の海に漬かっているという病態が起こっていることを示しています。

　メタボな人の生命現象は、本来、飢餓の中で暮らしていた細胞が、現代社会のこれまで経験したことがないような高脂肪の海の中で泳いでいるというような状況が想定できるわけです。そして脂肪細胞から絶えず分泌されるホルモンや、その代謝産物の影響下に、われわれの生命現象の基本単位の細胞がさらされていることが問題ではないかと考えられています。

　日本は「メタボ先進国」ともいわれているようです。しかし、わが国でメタボが進行しているからという意味では決してなく、むしろわが国の臨床医学研究の成果により、その臨床的重要性に早くから気づき、予防・治療の取り組みを実施しているという意味で先進国であるということの確認が重要であると強調したいと思います。

　わが国のメタボの特徴は、欧米の肥満と比べても軽症であるがゆえに、予防・治療に最も有効性が高い状態であることです。そして撲滅委員会あるいは特定健診・保健指導の取り組みや成果が国際的にも注目されています。

　メタボは、動脈硬化のリスクファクターが肥満を基盤として重積している状態ではありますが、一方、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)もやはり肥満をベースに起こってくるものとして重要で、これは肝がんの前がん状態ととらえられています。現在、わが国ではウイルスによる肝炎、肝硬変、肝がんという問題が注目されています。しかし、今後は、肝がんのハイリスク状態としてのNASHへの取り組みが重要と考えます。

　NASHはメタボとほぼ並行した病態でもあり、最終的な帰結は、動脈硬化を最後のゴールに考えるか、がんを考えるかということにもなるわけです。最近、私どもは、生まれた直後からNASH状態が続いている患者さんが、37歳という若い年齢で肝がんになったという症例を経験しました。これも小児肥満から中年のメタボ、そして動脈硬化へ進行していくという病態と対比して考えますと、小児肥満の状態から欧米でいわれているように、NASHから肝がんへつながっていくリスクがあるということを示しています。

　メタボは小児肥満の大体20年後ぐらいの中年以降になってから、生活習慣病の病態が明らかになってきます。NASHの場合には、それよりも長く、約40年を介して出てくることを示しています。

　今回の症例は、たまたま生まれつきNASHの状態ではありましたが、小学生のころに肥満児であると、50、60歳という年齢になって危険な領域に入ってくるわけです。今後、広い意味でメタボの撲滅運動をとらえると、生活習慣病だけでなく、がんへの取り組みという点でも成果が期待できると考えています。

<div align="center">◇</div>

<font color="B22222">■男性肥満の増加傾向鈍化</font>
<b>ー厚生労働省健康局生活習慣病対策室長　木村博承氏</b>

　国が毎年行っている国民健康・栄養調査は、今回(平成20年)、特に食生活、運動、そしてたばこを重点的に調査しています。

　過去13年間の20〜60代の「男性肥満者」の動きを統計的に処理しますと、平成12年を境に肥満は増加しつつも、その割合は、確実に鈍化してきています。女性も暫時減少傾向。

　体重を減らそうとする人の割合では、男女とも半数前後、その意思は持っているが、問題なのは、男性の場合、肥満でありながらも体重を減らそうと思っていない人が3割弱いて、逆に女性では、12.6％の人がいわゆるBMI18.5未満の「やせ」なのに、さらにまだ体重を減らそうと思っていることです。

　「運動習慣」は、5年前に比べ、男女とも着実に増えてきているが、一方、歩数の平均値をみると、男女とも減ってきている。運動習慣のない人の歩数が非常に減少しており、ある意味、運動習慣を持つ人と持たない人の二極化が進んできていると思われます。

　食習慣では「朝食欠食」の割合が、男女とも30以上の年代に増加し、脂肪エネルギー比率が男性(17.4％)に比べ女性(25.0％)が高いのが目立っています。


<div align="center">◇</div>


【用語解説】肥満症

　「肥満」は、日本人の場合、BMI(体格指数)25以上とされるのに対し、「肥満症」は肥満に起因して生活習慣病や脂肪肝、月経異常など健康障害を合併するか、合併が予測されるハイリスク肥満者の場合で、病気として取り扱い、医学的に減量を必要とする状態と定義されている。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　
<div align="right">(産経新聞 2009/12/16) </div>]]></description>
         <link>http://metabolic-pro.net/report/2009/12/222_3.html</link>
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         <pubDate>Wed, 16 Dec 2009 14:03:30 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>国民健康・栄養調査(1/2)</title>
         <description><![CDATA[<font color="556B2F">男性肥満者の増加傾向鈍化</font>
　
<b>　平成12年以降、男性肥満者の増加割合がそれ以前の5年間に比べて鈍化していることが、この11月に発表された厚生労働省の平成20年国民健康・栄養調査でわかった。肥満男性は40代が約36％と最も多く、また肥満男性の3割が体重を減らそうと思っていない。一方、女性の「やせ」傾向はおさまらず、やせの女性のうち、まだ体重を減らしたい人が1割以上もいる。運動習慣は着実に増えてきているが、歩数が減ってきているのはどういうわけか。国民の健康状態の全体的な傾向について、今回の国民健康・栄養調査結果から検証してみたい。</b>

<div align="center">◇</div>

<font color="B22222">■体重減らす意思、男女間に差</font>

　国民健康・栄養調査は、健康増進法に基づき毎年11月に実施されているもので、身体や栄養摂取状況、生活習慣の現状を明らかにして今後の健康づくりの基礎資料にするのが目的。平成20年国民健康・栄養調査は、同年の国民生活基礎調査で設定された地区より無作為に抽出した約6000世帯の中から満1歳以上の約1万8000人を対象に実施したもの。今回の調査結果から注目のポイントをピックアップしてみるとー。

　まず、「肥満およびやせの状況」。男性の肥満者(BMI＝体格指数＝25以上)の割合は、全体で28.6％。年齢別では40代が35.9％ともっとも多く、次いで50代32.4％、30代29.5％となっている。20〜60代の男性肥満者の割合を年次推移でみてみると、7年には24.8％だったのが、国の推進する「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」が始まった12年には27・6％に増加。しかし、7〜11年までと、12〜20年までの増加率を比較してみると、その増加率は小さくなっており、肥満者の割合は、増加しつつも、その増加率は確実に鈍化していることがわかった。

　一方、女性では、40〜60代の女性肥満者の割合は減少しているが、若年女性の「やせ」(BMI18.5未満)が問題。女性の20代22.5％、30代16.8％が「やせ」で、他の年代と比べてその割合が高い。

　また、「太っている」ないしは「少し太っている」と自分自身の体型を評価している人の割合は、男女とも半数前後で、その理由としては男女とも「過去の自分と比べて」がもっとも多いのが特徴だ。

　「体重」については、男女それぞれ特有の考え方が表れてくる。男女ともおよそ半数は体重減を目指す意思があるが、その一方で、男性は「肥満」でありながら体重を減らそうと思っていない人が29.8％。逆に女性では、「やせ」とされる人の12・6％が、やせているにもかかわらずさらにまだ体重を減らしたいと思っている。こうしたグループに対する健康面からの意識変容も含めた生活習慣見直しのための動機付けの支援などが、さらに必要になってこよう。

　「運動習慣」も今回の大きなテーマ。この調査での15年と20年の比較では、運動習慣のある成人の割合は、男性で29.3％から33.3％、女性では24.1％から27.5％と男女とも増加している。日ごろ、意識的に体を動かすなどの運動を行っている人の割合も男女で増加しており、20年では6割前後になった。

　ところが、1日に歩く「歩数」の平均値を見ると、成人男女とも減少している。男性が15年当時、平均7,503歩だったのに、20年には7,011歩と減少。女性も6,762歩から5,945歩へと減っていた。これは特に運動習慣のない人の歩数が大きく減少してきていることから、その影響で全体の歩数の減少を招いていることがうかがえる。

<div align="center">◇</div>

　次に「喫煙」について。20年において習慣的に喫煙している人の割合は、男性36.8％、女性9.1％で、受動喫煙が話題となった健康増進法制定時の15年以降、男女とも減少。当時、男性46.8％、女性11.3％で、小幅ではあるが年次推移では禁煙傾向にある。また、1日21本以上吸う人の割合は、この5年間で男性が32.7％から25.3％へと減ったが、女性は9.6％から9.2％程度でほとんど変化が見られない。

　食習慣の中で「朝食欠食」の割合は、20代の男性30.0％、女性26.2％ともっとも多く、それに次いで30代、40代の男女の欠食が多かった。また、12年から20年の年次推移では男女とも30代以上の年代で増加している。

　一方、摂取される脂質エネルギーの総エネルギー量に対する比率である「脂肪エネルギー比率」は、若者であっても30％未満が望ましいわけだが、30％以上の人が、男性17.4％、女性25.0％で、意外に女性の脂肪エネルギー比率が高いことや、さらに「休養」に関連して、1日の睡眠時間の平均では、男女とも「6時間以上7時間未満」が最も多いことがわかった。

　メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況はどうか?。

　20年11月時点で、男性のメタボリックシンドロームが強く疑われる人は男性で25.3％、女性は10.6％で、また予備群と考えられる人は、男性21.9％、女性8.3％となっている。

　メタボリックシンドロームについては、平成20年度から、医療保険者による「特定健康診査・特定保健指導」が、全国で5,700万人ともいわれる医療保険の加入者を対象としてすでに実施されてきており、今年度中には、健診データや保健指導結果が集まる予定だ。今後はそれらのデータの分析によって詳細なメタボの状況が判明するものと思われ、それらの分析を基にメタボ対策についてもさらに進むのではないかと期待されている。

<div align="right"><A HREF="http://metabolic-pro.net/report/2009/12/22_18.html" target="_blank">次へ＞＞</A></div>]]></description>
         <link>http://metabolic-pro.net/report/2009/12/12_19.html</link>
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         <pubDate>Wed, 09 Dec 2009 13:55:21 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>国民健康・栄養調査(2/2)</title>
         <description><![CDATA[
<font color="B22222">■鍵は「脂肪エネルギー比率」</font>
<b>ー生命科学振興会・渡邊昌理事長</b>　

　健康・栄養調査に詳しい生命科学振興会の渡邊昌理事長(前国立健康・栄養研究所理事長)に、今回の国民健康・栄養調査について解説してもらった。

<div align="right">◇</div>

　戦後、餓死者の恐れもあったので、GHQに食料を申請するために、終戦直後の昭和20年12月に当時の栄養研究所の創始者であった佐伯矩(ただす)氏の門下生らによって東京で行われたのが、現在に続く国民健康・栄養調査の始まりです。食生活の変化、脂肪やタンパク質摂取の増減などこのデータに基づいています。最初は単なる栄養調査でしたが、平成15年の「健康増進法」の施行に伴い、生活習慣全般も調査することになり、身体状況や運動などの項目が加わり、それで生活習慣病等の実態がだんだんわかるようになってきたのです。健康に絡む一番大きな調査であり、予防医学の成果を示す一番の基本データでもあるのです。

　今回の国民健康・栄養調査のキーポイントは、肥満者の動きではないだろうか。「健康日本21」では、肥満者を平成24年までに半減する目標を立てたけれども、19年の中間発表では逆に増えてしまった。しかし、20〜60歳代の男性においては肥満者の割合は増加傾向にあるものの、その伸び率は鈍化してきている。また、40〜60歳代の女性でも肥満者の割合が減少してきており、少しずつではあるが対策が功を奏してきているのではなかろうか。

　女性の「やせ」は、少子化につながってくるのかもしれない。やせているのになおかつ減らそうと思っている人がいるのが問題です。BMIが18切ったら、月経が止まるなどの健康障害が出てくる。

　運動に励む男性が多くなってはいるが、半面、女性は、こまめに身体を動かしていることが読み取れる。およそ3割が運動習慣を身につけているが、特に地方では、車で移動することが多くなり、運動習慣はかえって減ってきているのではないか。それが歩数にも反映していると考えられる。

　栄養に関して注目されるのは「脂肪エネルギー比率」。その比率は、脂肪から取ったエネルギーが1日に取るエネルギーの何％に当たるかということ。日本人の食事摂取基準(2005年版)での脂肪エネルギー比率は、18〜29歳では、30％未満が目標となっているが、今回、30％以上の人の割合は、成人男性(17.4％)に比べ、特に女性(25.0％)でその比率が多い。脂肪エネルギーの摂取が直接コレステロールに反映するわけではなく、女性は閉経後コレステロールが跳ね上がるので、対象集団がどういう人たちだったのかが大事なことになる。

　座位などでの静かな活動である「静的動作」や、階段の上り下り、掃除機をかけるなどの「日常動作」は、予想以上にエネルギー消費があることがわかってきた。今まであまりカウントしていなかったこともあり、これからは消費エネルギーの重要な要素として考慮に入れる必要があります。私たちは、グラフのように、「1日に使うエネルギー消費の内訳」を5分類に分けて考えます。わざわざ改まって運動に励まなくても、日常こまめな動作で身体を動かすことが大切です。

　このごろ、喫茶店などでもたばこを吸っているのは、女性が多かったりする。たばこのリスクをきちんとわかっているのかどうか。妊娠中のたばこは、卵子のDNAを傷つける率も高いともいわれているのです。若い男性の喫煙が減ってきているのが目立ちますが、昔は成人男性の60％が喫煙し、今は30％台に下がってきたということでしょう。

　「朝食欠食」は、40代でも増えてきたところが問題。女性も30代が急激に増えてきており、これはストレスや夜更かしが朝食を抜く一番の原因となっているのでしょう。睡眠も大いに関係することで、これからは、ストレスと朝食、睡眠などとのクロスした比較調査が必要です。

　今、わが国では健康にかかわる大きな問題をいくつも抱えていますが、予防医学の重要性がもっと唱えられてしかるべきでしょう。

<div align="right">(産経新聞 2009/12/09) </div>]]></description>
         <link>http://metabolic-pro.net/report/2009/12/22_18.html</link>
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         <pubDate>Wed, 09 Dec 2009 13:51:58 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>歯周病が血糖管理に悪影響</title>
         <description><![CDATA[<font color="556B2F">ー医科歯科連携で研究進む</font>

<b>　激増する糖尿病。歯を失う一番の原因となる歯周病。この両者が炎症性のサイトカイン(生理活性物質)を介して相関関係にあることが最近の研究で明らかになりつつある。糖尿病であれば歯周病が悪化し、一方、歯周病患者は、血糖コントロールがうまくいかなくなるというのである。今月8日は「いい歯の日」、14日は「世界糖尿病デー」と続く。新たな口腔(こうくう)保健や合併症予防、治療の考え方から、糖尿病と歯周病にかかわる医科歯科連携も進められている。滋賀医科大学医学部附属病院の柏木厚典病院長、モリタ歯科医院の森田潤院長に聞いた。</b>

<div align="center">◇</div>

<font color="B22222">■6番目の合併症</font>
<b>ー滋賀医科大学医学部附属病院・柏木厚典病院長</b>

　糖尿病の有病率は5年ごとに、健診受診者のヘモグロビンA1c(日ごろの血糖値の平均値を表す)の数値から推定されるが、この5年間で糖尿病が強く疑われる患者数は毎年30万人増加し合計で890万人。現在、予備群を含めるとトータル約2200万人と推定され急激に増加している。

　その原因として柏木教授は人口の高齢化と、現代社会の生活習慣による肥満の増加を挙げている。「高齢になるとインスリンを産生する膵臓のランゲルハンス島β細胞が疲弊してくる。最近分かってきたのは、日本人は欧米人に比べ内臓脂肪がたまりやすく皮下にためにくい。栄養過多で余剰カロリーが内臓脂肪や肝臓にたまり出すと肥満や脂肪肝の原因になり、インスリンの働きが確実に落ちてくる。運動量も少なくなっているので筋肉の中にも脂肪がたまり、インスリン抵抗性がさらに増加して糖尿病の発症要因となる」

　従って糖尿病の予防対策は、こうした原因の裏返し、まずは食事・運動療法を適切に実践することが必須。余剰カロリー、過剰栄養の証拠である内臓脂肪を減らすメタボ予防が明確なターゲットとなるわけだ。

　血糖の管理は難しく、インスリン注射の人でも、良好コントロールといわれるヘモグロビンA1c値6.5％未満の目標値には20％しか届かないのが実情だ。しかし、食事・運動療法の人なら8割以上の達成率になり、軽症ほど発症進展予防も可能となるようだ。

　糖尿病治療の目的は、どのようにして「血管合併症」の発症・進展を予防するかにある。しかし、糖尿病はともかく無症状。血糖が200mg/dlを超えると口渇・多飲・多尿などの症状が表れるが、それでも気づかない人が多く、また治療を途中でやめたりしてとことん合併症が悪化して受診してくるケースが後を絶たない。

　「糖尿病の合併症は想像以上に多く、軽症まで入れると、糖尿病患者の約40％は何らかの合併症を持っている」と柏木教授。血糖コントロールが悪いまま5年以上たつと細小血管障害といわれる網膜症・腎症(腎不全)・神経障害が起こってくる。それだけでなく、コレステロールが血管壁にたまって太い血管も障害され、心筋梗塞や脳梗塞、さらに足の閉塞性動脈硬化症などの大血管障害に至るケースも多い。細小血管、大血管の血流障害から下肢への血行が行き届かず歩行障害や切断に至る、足の壊疽がある。この糖尿病性足病変といわれる足の疾患が5番目の合併症となるが、6番目として歯周病が挙げられる。

<font color="B22222">■炎症物質が介在</font>

　歯周病について柏木教授は「大血管障害との絡みはあまり明確ではないが、原因として歯周病菌による感染症ととらえられる。歯周組織の炎症がキーポイント。歯周組織の過度の炎症や血流障害によって組織破壊が強くなり、さらに除菌作用を持つ白血球の機能も落ちてくる結果、歯周病菌が増殖しやすくなる。そういう意味で混合的な因子が複雑に絡み合った合併症といえる」と説明する。

　歯周病は加齢とともに増加する。厚生労働省の調査では、今や成人の42％以上が中高度の歯周病に罹患しているとされるが、50?60代がピークで、その年代では有病率が50?60％に達する。歯と歯肉のすき間の「歯周ポケット」に歯周病菌がたくさん巣くって、ポケットの掘り込みも4ミリ以上は明らかな異常とし、歯肉組織が炎症を起こして腫れあがった状態になる。そのうち歯槽骨の組織も壊され、歯もぐらついて抜けてしまうことになる。

　「大人の歯周病というのは、非常に大きな問題。糖尿病になると、歯周病が多くなるというデータがいくつもあるのです」と柏木教授。米国をはじめとして日本の福岡・久山町研究でも明らか。すでに糖尿病の人は予備群の段階から歯周病の頻度が高く、糖尿病になればなおさら高くなる。肥満の人も同様に歯周病になりやすいというデータもある。

　なぜか?。柏木教授は「歯肉に小さな血管病変が起きて血流が行きにくくなるのが一つ。それから慢性の高血糖になると、高血糖そのものが歯周組織に炎症をきたすらしい。歯周組織に細菌などが付着するとマクロファージ(大食細胞)が処理しようとし、炎症反応が誘導される。そしてTNF?αなどの『炎症性サイトカイン』が放出され、それが体内の血中に流れていって肝臓や骨格筋でインスリン抵抗性を誘導し、糖尿病の悪化要因となる」

　内臓脂肪の蓄積した肥満も同様、脂肪組織から炎症性サイトカインが放出されてインスリンの働きを悪くする。

　岡山大学の研究では、歯周病患者に抗生物質を投与し炎症を抑えるなど完全管理したところ、ヘモグロビンA1cが改善した。さらに同様の研究のメタ解析の結果でも、歯周病治療で0.8％程度低下したとの報告もある。重度の歯周病があるかどうか確かめることも必要といえそうだ。逆に重度の歯周病患者では、血糖管理がなかなかうまくいかないことが臨床経験でも確認されている。

　実は、滋賀医科大学附属病院でも口腔外科学講座と連携して、糖尿病と歯周病の関連調査を進めている。現時点では、糖尿病治療で歯周病が良くなるなど、断片的なデータは集まっている。

<div align="center">◇</div>

<font color="B22222">■糖尿病で悪化</font>
<b>ーモリタ歯科医院・森田潤院長</b>

　歯のなくなる原因は、主に虫歯と歯周病が挙げられるが、成人以降は、より歯周病の率が高くなり、半分以上を占める。歯周病のもととなる歯周病菌は口腔内細菌(約500種類)の中でも1割ぐらい。歯肉溝(歯と歯茎間のすき間)にすみつき、その状態をプラークというが、嫌気性菌である歯周病菌には、閉塞し空気が流入しにくい歯周ポケット(歯肉溝の病的な状態)が生育環境に適している。「歯周病菌の繁殖が進むと歯肉の中に入り込み、免疫反応から細菌を貪食するマクロファージが作用してTNF-αなどの炎症性サイトカインが放出され、歯周炎の状態となる」と森田院長。

　その炎症性サイトカインが、実は全身病である糖尿病にも波及していると考えられている。森田院長は「歯肉組織中で産生された炎症性サイトカインが全身に回るとインスリン抵抗性が高まり、血糖値が下がりにくくなる。私どもの臨床でも糖尿病を患っていると、確かに歯周病が悪化していることが分かるし、歯周病治療でヘモグロビンA1cがよくなるケースもある。歯科医の立場からも、歯周病の重篤度と糖尿病が密接に関係していると考えられる」

<font color="B22222">■プラーク除去必須</font>

　そもそも歯周病菌を除去すること、つまり適切な歯磨きは歯周病を予防し、歯の喪失を防ぐために最も重要な行為とされる。ただ、適切に磨くことはそう容易ではなく、家庭での歯磨きだけではどうしても磨き残しがある。磨き残ったプラークと口中の石灰分が融合してできた歯石は歯磨きでは除去できず、さらにプラークの蓄積を促す。歯肉溝は歯周ポケットと化し、その溝が4ミリを超えた状態が歯周病とされるが、そのまま放置するとさらに歯周ポケットは深くなり、ついには歯の周りの骨がなくなり歯が抜け落ちてしまう。歯科医院での歯周治療に加えて、適切なプラークの除去には、専門的口腔清掃が必須なのである。

　また、「中等度以上の歯周病の歯周ポケット内の炎症面積を計算してみると、手のひら大のサイズの炎症面積に匹敵していることが分かっている」(森田院長)。このことからも、痛みなどの自覚症状のない歯周病だが、炎症の大きさが無視できないことが理解できる。森田院長は糖尿病医から歯周病患者さんの紹介を受け、歯周病の治療を行うことで糖尿病がどう改善していくか、ヘモグロビンA1cの数値を基に調査している。

　歯科医の歯周病に対する取り組みの目的は、歯をもたせて、食べる、話すなどの口腔機能を維持すること。その目的は今後も変わることはないが、加えて「口腔内の感染から全身の健康を守る、という発想を持つ必要がある」とも語る。

　いってみれば、歯周病は感染症であり、同時に「生活習慣病」の一つでもある。全身の疾病を未然に防ぐためにヘルスプロモーションの必要性が高まっているが、「自分の健康は自分で守る」といった意識は口の健康についても同じ。歯周病を予防することが、いつまでもおいしく食べることを可能にするだけでなく、口の細菌が全身へ及ぼす影響を減らし、糖尿病などの生活習慣病を未然に防ぐことにつながるからだ。歯周病といった口の病気と糖尿病との密接な関係に今後も注視したい。

<div align="right">(産経新聞 2009/11/14) </div>]]></description>
         <link>http://metabolic-pro.net/report/2009/11/post_28.html</link>
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         <pubDate>Sat, 14 Nov 2009 13:39:52 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>ストップ・ザ・こどものメタボ（1/2）</title>
         <description><![CDATA[<b>　子供たちの肥満・メタボリックシンドローム（内臓脂肪症候群）を防ぐために、第30回日本肥満学会市民公開講座「ストップ・ザ・こどものメタボ」（共催・メタボリックシンドローム撲滅委員会、小児肥満対策推進委員会）が10月10日、浜松で開かれた。浜松医科大学小児科の大関武彦教授、国立成育医療センター第一専門診療部内分泌代謝科の堀川玲子医長、浜松市立砂丘小学校の大石隆示校長、浜松医科大学付属病院栄養部栄養管理部門の仲山順子部門長、三重大学教育学部保健体育講座の冨樫健二教授が講演、小児肥満と食習慣・生活習慣病とのかかわり、予防対策などについて報告した。</b>

<div align="center">◇</div>

<font color="B22222">■腹囲８０センチ超なら早期診療を</font>
<b>ー浜松医科大学小児科教授・大関武彦氏</b>

　浜松医科大学小児科の大関武彦教授は「こどもの肥満?何が問題か、どうすればよいのか」と題して講演した。

　1800年代、すでに英国の作家、チャールズ・ディケンズは小説の中に、いつも居眠りしがちな「ピックウイック症候群」の肥満の少年を登場させている。肥満児の病状は早くから知られていたが、こうした子供たちは、肥満によって肺換気障害などになり心臓に負担がかかって心不全などで早死にすることもあった。ところが近年は小児期の肥満で、いわゆるメタボで徐々に慢性的な血圧や血糖異常を起こして、大人と同様、生活習慣病になる子供たちが幅広く増えていることを警告、対策の重要性を訴えた。

　肥満によって肝機能や高インスリン血症、高コレステロールなど代謝異常がひどくなれば、「小児肥満症」と診断され、速やかな治療が必要となる。子供たちの肥満は、昭和60年代2〜3％（男子）だったのが、今では全児童の8〜10％の割合になり、3倍以上増えた。

　日本人の子供だけでなく、世界的にも高率に増加しており、大関教授は「われわれが暮らしている現代社会の一般的な生活様式が肥満を引き起こすもとになっている。子供に一番しわ寄せが起きやすく、影響が強く出てきているのではないか。われわれ全体の未来にかかわる問題」と指摘する。

　近年、食べる量や脂肪分の多い食事が多くなり、ここ数年の統計でもわが国の脂肪摂取量は増加している。夜間でも手軽にコンビニで夜食が購入できるし、子供たちのテレビの視聴時間が長くなればなるほど、過体重になることも明らかだ。生活習慣が重なりメタボリックシンドロームのリスクが高くなった子供たちは、動脈硬化から生活習慣病への進展が早いことも分かりつつある。

　どう予防するか。まずは適切な食事と、しっかり運動する習慣を身に付けること。「食事はバランスの取れた、偏食のない食事の取り方。いわゆる『食育』というものを家庭や学校で心がけたい。運動、スポーツは楽しくできる力を身につけ習慣化できれば将来、大変役に立つだろう」。そして、子供のメタボを家庭で測る目安として、子供の腹囲が80センチを超えたら赤信号、この太さはどの年齢でも多過ぎるので、早期に病院での診療を勧めている。

<font color="B22222">■胎児期からの環境整備大切</font>
<b>ー国立成育医療センター内分泌代謝科医長・堀川玲子氏</b>

　国立成育医療センター内分泌代謝科の堀川玲子医長は「胎児期に芽生える小児メタボ」と題して、「小児の肥満・生活習慣病は、乳幼児期から始まるが、さらにその前の胎児期からの環境も大事」と強調した。

　まず、子供のメタボは「成人のひな型」とし、臨床経験から、肥満の子供たちにも脂肪肝や肝機能障害、さらに高血圧、糖尿病など大人と同じ生活習慣病が起きていると指摘した。現在の小児肥満の出現率は特に男子に多いが、思春期には男女とも増加。堀川医長は「太っているだけでなく動脈硬化は小児期から始まっており、成人の生活習慣病にそのまま移行していく。運動能力の低下や自分に対する評価が低かったりするなど、それ自体がすでに疾患であると考えていいのでは」。

　最近のデータで肥満小児が肥満の大人になるリスクは、非肥満の子供の２倍。肥満の成人女性の30％は思春期から肥満。4歳、あるいは14歳の肥満がもっとも成人肥満と関係する?などと報告した。CT（コンピューター断層撮影）スキャンで内臓脂肪面積を測ると、140センチという子供も見られ、肥満で首や脇の下に黒い色素が沈着する「黒色表皮症」が現れる子は、糖尿病の予備群、メタボの始まりを示している。

　小児肥満は、なぜ起こるのか。かなり早い時期の肥満は遺伝的要因が考えられるが、それ以外は主に過食・高脂肪食・運動不足などの生活習慣、そして車社会などの環境要因が挙げられる。3歳半ぐらいの早い時期から肥満度が増してくる子供は、思春期になっても肥満度や内臓脂肪の量が多いことが確認されている。


　さらに短時間睡眠が肥満傾向を助長することも分かってきた。また、現代社会では、摂食異常としての肥満もある。摂食障害で食べなくなるケースがよくあるが、その逆に過食で肥満になる子供も多いからだ。

　肥満と同時に「やせの子」も増えていることが小児肥満分布調査で分かった。「両極端の子が多くなり、『普通の子』が減ってきていることが問題」と堀川医長。特に思春期になると男女ともやせが増え、その傾向が若年成人まで続いていく。

　母親がやせていて妊娠中の体重増加が少ないと赤ちゃんの出生体重も低くなる可能性がある。低出生体重児は、成人してから心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患が多くなり、糖尿病などのリスクも、大きく生まれた子供より６倍高いというデータも。「胎児期に低栄養だと胎児の組織が低栄養に適応して変化し、生後、今度は栄養過多で育てられていくうちに、大人になってメタボや心血管障害につながっていくと考えられている」と堀川医長。専門医の間では、今や、「小さく産んで大きく育てる」は間違いだともいわれている。

　子供のメタボを防ぐには、肥満予防が一番だが、胎児のときから、きちんと環境を整えてあげること。小学生、中学生ならやはり家庭の場で食生活などの指導をし、肥満度が大きければ治療も含め早期に介入することも大切だ。

　堀川医長は「食事や生活指導、それに通院の継続で、内臓脂肪の多い子供もみるみる減っていく。無理にやせずとも体重を維持して身長が大きくなれば、自然に肥満度は減ってくる」と話している。
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         <pubDate>Wed, 04 Nov 2009 13:59:57 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>ストップ・ザ・こどものメタボ（2/2）</title>
         <description><![CDATA[<font color="B22222">■「食習慣の悪化」に心痛める</font>
<b>ー浜松市立砂丘小学校校長・大石隆示氏</b>

　浜松市立砂丘小学校の大石隆示校長は「学校における小児肥満」と題して全校児童の2割を占めるブラジル人の子供たちと日本人の子供たちとの比較を中心に、食習慣の大切さを語った。

　昭和から平成にかけて浜松近辺の工場に勤務するため大勢のブラジル人がやってきた。そのブラジル人の子供たちが、1年生は特に40人中14人と、35％を占める。その子供たちの食生活というと、肉類はほぼ毎日、魚はあまり食べない。日本の食卓ではおかずをめいめい分けて食べるが、ブラジルではそういう習慣がなく、大きな鍋を中心に各自好きなだけとって食べる。

　夜勤で働いている親たちも多く、おなかがすくと、ポテトフライを揚げて食べる子供もいるという。夕食時刻も遅く、夜食を食べることも多い。先ごろ、希望を募って外国人7人、日本人66人計73人のメタボ健診をしたところ、外国人4人（57％）、日本人7人（11％）がメタボ危険者と分かった。日本人は全国平均とあまり変わらなかったが、ブラジル人の子供たちの肥満が目立つ。栄養相談を兼ねた別の健診では、外国人の親たちの8割が肥満ということだった。

　「実態が分かれば対策も立てられるし、なぜ多いか考えることもできた。検査をきっかけにブラジル人の中には、遅い食事や寝る時刻を早く変えた子供もいるのです」と大石校長。同校でも朝食欠食の児童が全国平均より多かったが、家庭と協力して平均値に戻した経緯がある。「浜松に限らず、日本人の子供も生活習慣の悪化が続けば、今にメタボの子が5割を超えてしまうのではないか」と危惧する。

　そこで大石校長は、運動場の遊具や鉄棒などを活用しサーキットトレーニングコースを設ける計画。給食も和食のメニューを多くしていければと考えている。

<font color="B22222">■親が見本となり肥満防ごう</font>
<b>ー浜松医科大学付属病院栄養管理部門長・仲山順子氏</b>

　浜松医科大学付属病院栄養部の仲山順子栄養管理部門長は「子供の健康生活と食育」と題する講演で日本人の食生活の変わりようを説明しながら、食習慣の見直しを訴えた。戦後、貧しい時期には栄養失調の子供もいて、太っている子供は、健康優良児で表彰されたものだ。食生活運動でパンやマーガリンという新しい外国のメニューが新鮮でもあり、日本人の食生活も変わってきたが、最近は「ふわふわ、とろとろ」といったものがおいしい食感になったり、たこ焼きにマヨネーズをかけたりと、栄養過剰な時代になった。

　「米の消費もグーンと減り、肉や動物性脂肪の摂取量が格段に増え、今は何が日本の主食なのか分からない時代。子供のときからの肥満防止策も必要だが、大切なのは、親の食生活。子供の見本となるわけだから、健康を維持するには、バランスのいい和食の生活に戻るなど家族が協力して食習慣を改善し、高脂肪食を取らない勇気を持つ必要がある」と仲山氏。

<font color="B22222">■運動が好きな子供に育てて</font>
<b>ー三重大学教育学部保健体育講座教授・冨樫健二氏</b>

　三重大学教育学部保健体育講座の冨樫健二教授は「小児肥満対策、１に運動・外遊び！」として、子供のころから運動習慣を身に付ける重要性を強調した。

　肥満度が高いほど体力値が低く、小児メタボの発症頻度は、小学校6年生で高度肥満となるのが3人に1人と報告。標準体重20％以上の肥満傾向児（12歳）の割合を都道府県別にみてみると、東北、北海道など北の方が高い。

　一方、脂肪エネルギー摂取率でみると、むしろ北の地域は摂取率が低い。ところがさらに歩数で比較すると、北海道、東北など冬閉ざされる北の方が身体活動量が減っていた。

　ということは?。「子供の肥満は、身体活動量に大きく左右されるのではないか。身体活動量が低下すれば消費エネルギーが減少し、結果として肥満に進展していく」と冨樫教授。肥満やメタボを予防、改善するうえで、大事なことは、体を動かすのが好きな子供に育てること。しかし、ゆゆしいのは、1週間当たり総運動時間の分布は、中2男子で約10％、女子では約30％が60分未満だった。「やせ願望が強く、運動しない女の子が増えていったらどうなるか。男子も同様だが、今後、親になっていくことを考えるとやはり運動を勧めていくことが大事なのではないか」と冨樫教授。幼稚園での運動状況のデータでは、保護者の運動に関する働きかけが子供の運動量を左右していた。

　米国のスポーツ体育協会のガイドラインでは、ほぼ毎日最低でも６０分の外遊びや運動をし、その中には息が弾むような運動を15分、と規定されている。「運動の好き嫌いは体力値とも関係してくる。将来のメタボ・リスクを減らすためにも、子供の時から外で遊び、体を動かすのが楽しいと思える環境を整えることが大切」（冨樫教授）


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         <pubDate>Wed, 04 Nov 2009 13:47:20 +0900</pubDate>
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         <title>「心臓病を防ぐために」札幌で市民講座（1/2）</title>
         <description><![CDATA[　<b>心筋梗塞など心臓病の原因になるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防について最新の知識を披露する第57回心臓病学会学術集会市民公開講座「ストップ・ザ・メタボ?心臓病を防ぐために?」が9月20日、札幌市のホテルで開かれた。厚生労働省生活習慣病対策室の木村博承室長、札幌医科大学第二内科の斎藤重幸講師、天使大学大学院の伊藤和枝教授、兵庫県尼崎市市民サービス室の野口緑課長、国立健康・栄養研究所の宮地元彦・プロジェクトリーダーが講演。心臓病を予防するための食事、運動療法の成果や特定健診・保健指導などについて報告した。</b>

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<font color="B22222">■野菜料理と米飯…中性脂肪を軽減</font>
<b>ー天使大学大学院看護栄養学研究科教授・伊藤和枝氏</b>

　伊藤和枝教授は、メタボ予防は、食事と運動による生活改善が第一で、目標はさまざまな生活習慣病の根源で命にかかわる病気の原因である内臓脂肪を減らすこととした。「内臓脂肪は臓器の周りにくっついているので代謝が盛ん。少し体重を減らすだけで、減少します。これまでのように標準体重まで持っていく大きな体重減少は必要ではなく、まず体重の5％に相当する約3キロを目標に1カ月当たり1キロ落とす程度でいいのです」と説明する。

　その方法は、食事で取るエネルギーを消費するエネルギーより少なくすることだが、体脂肪を燃やすつもりで食事を制限しても、食べ方を間違えれば自分の筋肉(タンパク質)を燃やしてエネルギーを出している場合がある。その場合、筋肉が減るので、消費エネルギーが増えず、いくら食事を少なくしても減量に結びつかない。

　伊藤教授によると、食事で取る栄養素の中でエネルギー源になるのは、糖質、脂質とタンパク質。糖質と脂質は、余ったエネルギーを中性脂肪に変え、体脂肪を増やす。一方、魚や豆腐などに含まれるタンパク質は、筋肉や血液など身体の組成にもなるが、取り過ぎると、尿の中に排泄される。

　体脂肪を減らすために気をつけるべき食品は、まず血糖を上げやすい砂糖、菓子、果物など糖質と、それに近いアルコール。とり過ぎると肝臓で中性脂肪(体脂肪)に変わるためだ。脂質も、マヨネーズ、バター、サラダ油だけでなく獣鳥肉に含まれ、アイスクリームなど乳製品にも多い。

　また、大事なことはやせるために米飯をやめてはいけない。1日に必要なタンパク質の3分の1は米飯から取っているからだ。さらに、炭水化物がないと体脂肪は燃えない。そのためには、1日に炭水化物100gは必要で、やせたいときにも、1食にご飯軽く茶碗に一杯は必要、という。

　こうした食事療法の中で、伊藤教授はカリウムやマグネシウムを多く含む野菜料理がメタボ予防に効果があることを明らかにした。

　野菜には、血糖や中性脂肪、血圧さらに動脈硬化を改善する食物繊維や、カリウム、マグネシウム、抗酸化ビタミンが含まれている。なかでも、カリウムは食塩を尿の中に排泄したり、カリクレインというタンパク質分解酵素を増やしたりして血圧を下げる物質として知られている。

　伊藤教授らは、まず10人に10日間にわたり、カリウムの多い食事をとってもらい、血液中のメタボのリスク要因の変化を調べた。その結果、血圧だけでなく動脈硬化に関係する総コレステロールが平均で188mg/dLあったのが、20mg/dL減少したほか、中性脂肪も同程度減った。一方で、善玉コレステロール(HDL)がやや増え、血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌量がぐんと増え、糖尿病を改善するだけでなく、中性脂肪を減らす効果があることがわかった。

　また、マグネシウムについては、23人にマグネシウムを4週間多く取ってもらった結果、対照群(10人)に比べ悪玉コレステロール(LDL)は減少。逆に、善玉コレステロールについては、この生成に関係するLCATという酵素が増えた結果、核になるタンパク質(アポAI)が増え、善玉の増加につながった。

　「マグネシウムが欠乏すると突然死が起こることも知られている。マグネシウム、カリウムはいずれも緑色野菜などに多く含まれており、血管の病気に有効な栄養素であるといえます。また、メタボの予防をいい方向に手助けしており、心筋梗塞・脳卒中の予防には1食に1、2皿の野菜料理が大切」と話す。ただ腎臓の悪い人はカリウムの取り過ぎに注意。

　伊藤教授は「薬を投与するわけでなく、食事を変えるだけでメタボが改善されます。まさに『食は医なり』で、成功するには、心筋梗塞、脳卒中など大きなイベントを起こさないために、自分にできる計画を自分で決め、その日から一歩ふみ出して実行することです」と断言した。

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<font color="B22222">■深刻な歩数減少　目標は「1日1万歩」</font>
<b>ー国立健康・栄養研究所プロジェクトリーダー・宮地元彦氏</b>

　厚生労働省の国民健康栄養調査では、日本人の1日当たりの歩数は、10年前が男性約8000歩、女性約7000歩だったが、いまは男女とも1000歩程度と10％も減っている。宮地元彦氏は「メタボや生活習慣病予備群の増加の原因として、歩数の減少が大きくかかわっています」という。歩数は、「身体活動」の指標で、宮地氏は「日本人はこの10年間で、10％も体を動かすこと全体を減らしてしまったと考えて間違いがない」と推測する。

　この「身体活動」の強度を示す「メッツ」という指標が広まっている。じっと座っているときのエネルギー消費量を1とし、その何倍のエネルギーを使っているかということを表す、活動の強さの単位だ。例えば3メッツは、その3倍のエネルギーを使っているという意味で、軽い筋力トレーニングの運動量に相当する。生活活動にあてはめれば、「自転車で平地を走ったり、子供と外でブランコをしたり、お風呂を洗ったり」は4メッツ、階段の昇降は6メッツだ。

　日本人が生活習慣病予防をするための一つの大きな目標は「健康な人は1日1万歩を目標に歩こう」というもの。おおむね1日1時間ぐらい、歩行を伴うような活動が目安だと言う。また、スポーツやジムでの運動なら、1週間にたった1時間だ。

　すでにメタボになっている人は、今の生活にさらに3000歩、30分ぐらい歩く時間を増やす必要があるが、3メッツを4メッツに変えるだけでも、25％エネルギー消費量が増える。

　歩数計を携帯するのもいい。「1万歩歩こう」という具体的な目標を示されると、毎日歩数計の結果が気になる。そのような状態では、おおむね1日当たり2500歩、歩数を増やすことができるという研究成果がある、という。宮地氏らは、長野県佐久市で、240人を対象に肥満改善プログラムを行った。歩数計などを持ってもらい、3カ月に1度だけ食事や運動の指導をした。毎日、歩数計の記録もつけてもらった。その結果、1年目に運動指導をしたグループは約1600歩、歩数が増え、平均体重が5キロ減少したのに対し、2年目に運動指導をしたグループでは、1年目に歩数計による介入を受けていないため、歩数は増えなかったが、2年目には1800歩の増加、体重減6キロとなった。

　宮地氏は「ストレッチングやヨガのほか、テレビゲームのような効果がはっきりしなかったものに対しても科学的証拠がだいぶ増えてきました。身近な道具を使って、身体活動を増やしていっていただければと思います」と話している。


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         <pubDate>Wed, 07 Oct 2009 15:26:45 +0900</pubDate>
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            <item>
         <title>「心臓病を防ぐために」札幌で市民講座（2/2）</title>
         <description><![CDATA[<font color="B22222">■予備群は保健指導で改善</font>
<b>ー厚生労働省生活習慣病対策室長・木村博承氏</b>

　昨年4月から健康保険組合など医療保険者に対し、40歳から74歳までの被保険者、被扶養者を対象に内臓肥満に着目した健診・保健指導の実施を義務づける法律が施行され、その法律に基づく事業を進めています。一般の人間ドックのように、疾病の早期発見、早期治療が目的の健診とは少し趣旨が違い、あくまでも早期の保健指導をもって予防につなげていこうというのがねらいです。結果的に高齢者医療費も疾病発症の抑制ができれば、より適正化の方向に向かっていくだろうということです。

　最終目標は平成27年で、特定健診の実施率が80％、保健指導の実施率が60％、その結果、メタボの該当者と予備群は、20年度に比べて25％減少させるというものです。

　昨年度実施のデータ(8月3日現在)では、全国平均の実施率は市町村国保では28.3％、国保組合で29.2％、健保組合で59.8％、共済組合で61.8％。各保険者間でかなりばらつきはありますが、制度1年目で実施にかかわる関係者、関係機関が多様であるということもあり、総体的に十分に健診が実施されていない面があったように思います。しかし2年目は、早めに取り掛かっており、前年度に比べて、数値はよりよいものになると思います。

　今後、集まったデータについて多角的に分析し、生活習慣病の予防により一層貢献できればと考えています。

<div align="center">◇</div>


<font color="B22222">■背景に栄養分の取り過ぎ</font>
<b>ー札幌医科大学医学部第二内科講師・斎藤重幸氏</b>

　メタボ肥満とは何かというと、脂肪が腹部に異常に蓄積した状態です。肥満がどうして悪いのかというと、健康障害が起こることが明らかになっている。糖尿病や糖尿病予備軍になったり、脂質代謝の異常、コレステロール値や中性脂肪の値、血圧が高くなったり、痛風にもなったりする。そして、心臓病や脳卒中を起こすからです。

　メタボ肥満を判定するために、日本肥満学会では腹囲を男性では85センチ以上、女性では90センチ以上をメタボ肥満にしましょうと決めました。

　その科学的根拠は、CT(コンピューター断層撮影装置)でへその部分で腹部の断面像を撮って脂肪の面積を計測すると100平方センチ以上ある人に、心筋梗塞、狭心症といった心臓病を起こすような人たちが多かったからです。この面積に一致する腹囲である男性85センチ、女性90センチが判定の基準になったのです。

　メタボ肥満により、心臓病になるメカニズムとしては、栄養を取り過ぎるなどして脂肪細胞が膨らむと、さまざまな悪玉物質が分泌され、血管、筋肉などに働いて、最終的に心臓病を起こす危険因子をつくっていく、というものです。

　心臓病を予防するには、健診を受けて、高血圧、血糖、脂質の状況など自分の健康状態を知り、背景にある肥満を是正することが、現代の日本人には近道であると思われます。

<div align="center">◇</div>


<font color="B22222">■年に1回は「特定健診」を</font>
<b>ー尼崎市環境市民局市民サービス室課長・野口緑氏</b>

　兵庫県尼崎市で保健師の活動を行っていますが心筋梗塞、脳卒中、あるいは腎臓病で人工透析になられた方と出会うことがあります。その中で、「ある日突然、運が悪かったからなったんや」とよく聞きます。でも、実は違うのです。

　こうした病気はいずれもが血管が傷んで起こりますが、症状が出るまでには、一切、自覚症状がない。昨年、健診を受けた人の中での一番の高血圧は280mmHg(収縮期)でした。このような健康障害に至るまでには、少なくとも10?15年はかかります。

　血管が傷みはじめたと気づいたら、予防の面からは、病気の下敷きにある大本の危険因子を取り除けばいい。それが、内臓脂肪です。LDL(悪玉コレステロール)も血管を傷つけます。

　心臓や脳の血管を傷つける最大の危険因子は高血圧です。長時間にわたり高圧で血管の壁を傷つけます。次いで血糖です。糖は、タンパク質とくっつく性質があり、血液の中に糖分が増えてくると、血管の壁にいろいろなものを引っつけ、傷つけてしまう。

　昨年から始まった特定健診で血圧、血糖、コレステロールがすべてわかるので、ぜひとも年に1回は受診して確認してください。たとえ血圧が高くても、体重が減ることによって、血圧が下がり、薬は使わなくていいという状態になったというデータが多くあります。

<div align="right">(産経新聞 2009/10/07)</div> ]]></description>
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         <pubDate>Wed, 07 Oct 2009 15:20:28 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>善玉タンパク質　アディポネクチン(1/2)</title>
         <description><![CDATA[<font color="008000">＜臓器障害、がん化抑制＞</font>

<b>　心筋梗塞など生活習慣病を起こすメタボリックシンドローム（内臓脂肪症候群）の研究から見つかった善玉タンパク質、アディポネクチン。その作用が詳細に明らかになるとともに、動脈硬化の修復をするだけでなく、心臓や腎臓、肝臓の組織が壊れたり、がん化したりするのを防ぐ役割が明らかになってきた。体内で病気予防の主役として働くアディポネクチンの最新の研究成果を紹介する。</b>

<div align="center">◇</div>

<font color="008000">阪大グループ、進む研究　動脈硬化を修復</font>

<font color="B22222">■体内の消防隊</font>

　アディポネクチンの発見の経緯をたどると、この物質の重要な特徴がよくわかる。ヒトのアディポネクチンは、1990年代後半に松澤佑次・大阪大名誉教授（住友病院長）、下村伊一郎教授、船橋徹准教授ら阪大医学部第二内科の肥満研究グループが、松原謙一大阪大名誉教授らとともに脂肪組織から初めて発見した。脂肪組織だけが分泌し、肥満にかかわるさまざまな傷害や病気を修復するという自己防御の能力があるホルモンのようなタンパク質の性質を示す論文を相次いで発表、世界を驚かせた。

　なにしろ、当時は医学界でも脂肪組織は単なる栄養の貯蔵庫としか考えられていなかった。アディポネクチンなどの発見により、脂肪組織がタンパク質を分泌する臓器の働きをしていることが証明されたことは医学の概念を変える成果でもあった。

　「巨大な脂肪の組織から、多種類のタンパク質が分泌されていました。なかでも最も大量に産生されていたのがアディポネクチンで、その後の検討で、膵臓（すいぞう）から分泌されて血糖を下げるホルモンであるインスリンの１千〜２千倍の量で血液の中を流れていることもわかってきました」と下村教授は語る。アディポネクチンという名前は、脂肪組織（アディポ）で作られ、いろんな臓器にひっついて（ネクチン）作用するという意味でつけられた。

　ところが、不思議なことに内臓脂肪の量が増えるのに反比例して、アディポネクチンは減少していく。このミステリーは、病気との関連を示す証拠にもなった。つまり、脂肪組織に脂肪がたまると、脂肪組織で余分な活性酸素が生じて細胞を傷つける酸化ストレスが上昇する。この現象がアディポネクチンの産生や分泌を抑えてしまう。そして、いったん低アディポネクチン血症が起こってしまうと、病気の原因になる組織の炎症を消したり、動脈硬化になった血管を修復したりするなどアディポネクチンによる防御機構が利かなくなり、病状が進行してしまう。まさにメタボ予防のため体内を巡回する消防隊の役割を果たしていたのだ。

<font color="B22222">■幅広い関わり</font>

　メタボによる病気については一般的に、内臓脂肪の蓄積によりアディポネクチンが減り、高血糖、高血圧、脂質異常が生じた結果、動脈硬化による心筋梗塞、脳卒中や糖尿病が発症するとされている。最近の研究では、アディポネクチンがこれらの病気以外にも幅広く生活習慣病予防にかかわっていることが次第にわかりつつある。

　船橋准教授、木原進士講師らは、心臓、腎臓、肝臓の組織が傷害され、伸び縮みができない線維のようになって機能しなくなる状態に着目した。心不全、慢性腎臓病（CKD）、非アルコール性脂肪肝炎（NASH）などの病気につながる症状である。

　マウスを使い、まず心臓については、血圧を上げるホルモン（アンジオテンシンＩＩ）を投与し、筋肉の線維化の状態をつくったところ、その組織の傷害部分にアディポネクチンが集まってきてべたべたと張り付き、懸命に修復している像が明らかとなってきた。さらに、より直接的にアンジオテンシンＩＩに作用し、防御していることもわかった。

　腎臓については、臓器６分の５を切除して腎臓への血圧・血流を増やした状態を作ったうえ、あらかじめアディポネクチンの分泌量も減らしておいたところ、強い線維化が起こった。

　ところが、アディポネクチンを補充すると予防され、CKDの進行度の指標である尿に排出されるタンパク質の量が３分の１以下に減った。

　肝臓についても、アディポネクチンにより線維化が防げたが、この状態を作り出す特定の細胞（伊東細胞）が活発に働くのを抑えるというメカニズムだった。アディポネクチンはこれらの臓器を保護するタンパク質でもあったのだ。

　発がん実験では、アディポネクチンが低下した状態では、大腸がんや肝臓がんがより高率に発生してくることがわかった。

　「アディポネクチンは、老化とともに発症する生活習慣病に共通してかかわる根源的な物質のようです。通常は、酸化ストレスやいろいろな細胞を傷つける悪玉ホルモン（TNF-α）などを抑えていますが、アディポネクチンが減ってバランスが崩れると、悪循環がどんどん進んで組織の修復不全に陥り、慢性の臓器障害になるのではないかと考えています」と下村教授は説明する。

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         <pubDate>Wed, 02 Sep 2009 15:09:54 +0900</pubDate>
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