昨年までの状況を振り返ってみますと、9月の第10回国際肥満学会においては「日本発の研究としての肥満対策」が、欧米およびアジア各国まで含めて極めて重要な課題として注目を集め、ことに豪州や欧米では「小児肥満」も深刻な事態を招きつつあるとの報告がなされました。10月に開催された第27回日本肥満学会の「神戸宣言2006」では、社会全体の認識が不可欠である「肥満症とメタボリックシンドローム」予防の重要性を一般国民に喚起するとし、メタボリックシンドローム"サンサン運動"の提唱による、3キログラムの減量と3センチメートルのウエスト周囲径の短縮が提言されました。
日本学術会議においては、生活習慣病対策委員会が設置されることになり、私はその委員長を務めさせて頂くことになりました。これは、「メタボリクシンドローム対策」が国の科学の中でも、主要なテーマとして位置づけられた証左といえましょう。また、厚生労働省は、2008年4月からメタボリックシンドロームの概念を取り入れた「特定健診・保健指導」を義務化とするなど、生活習慣病対策の具体的成果の実現に向けて取り組んでいます。このように、学会、行政、学術会議などが、共通の目的で予防医学を進めていくという、過去に例のない国民運動が起こっています。
この動きの中で、メタボリックシンドローム撲滅委員会の使命は、マスメディアを通して、国民の皆様に正しい知識を広めていくことであると思っています。今年度はとくに、「メタボリックシンドローム対策」についての情報に重点を置きたいと思っていますが、一時的な報道や興味本位の特集ではなく、撲滅運動の継続的取り組みによって、対象者の意識への働きかけを継続して行うこと、そして、医師、看護師、保健師、栄養士、薬剤師など地域医療の現場で患者や予備軍の人々と向き合う方々と如何にして共同歩調をとり続けていくことができるかが、成功のカギであると思います。
以上のように、メタボリックシンドロームの概念を導入した生活習慣病予防の考え方を広く普及してゆくことで、国民一人一人が生活習慣を見直し、生活習慣病の予防・改善を通して「健康的な65歳」「活動的な85歳」につながるよう、継続的に取り組んでゆくことが、私達、専門スタッフの使命であると確信しています。
メタボリックシンドロームに関わるデータや資料、最新情報の収集、掲示板での意見交換等、ぜひ、この「メタボリックシンドローム Pro.」をご活用頂き、皆様の業務にお役立て頂ければ幸いです。

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委員長




















